ピューリサーチセンターの調べでは、アメリカ人の44%が「キャンセルカルチャー」という言葉をしばしば聞くと回答していますが、とくに18~29歳の若年層になると、その割合が64%にまで高くなっています。
SNSなどでの発信が多い若者がとくに声を上げ、「キャンセル」する主体となっていることを反映した結果のようです。
批判を集める「キャンセル」対象の「5つの条件」
この「キャンセルカルチャー」は「悪質な行為に対する責任を取らせること」と解釈される一方で、「検閲であり、過度に罰することになる」として反発する人もおり、「世論の分断」を加速する側面があると考えられています。
「キャンセル」の対象となり厳しい批判を集めるかどうかは、主に次のような5つの条件に左右されます。
「キャンセルカルチャー」で批判を集めやすいのは、「差別」の問題です。黒人、弱者へのいじめ、差別などは徹底的に非難の的となります。
今回も「自分より弱い立場の人間への差別」という点で、看過できない事案だったわけです。
「犯した行為の悪質性」によっても、批判の度合いは大きく異なります。
これは一般的な不祥事でも同じですが、「①人的被害がある」「②複数回」「③長期的」「④故意」である場合は、「人的被害がない」「単発」「短期的」「単純ミス」よりも、批判されやすくなります。
今回の場合、まさにこの「4つの要素」を満たしていること、また、子どものころの行為を反省するどころか、「大人になって得意げに語っている点で、悪質性が重い」と考えざるをえないところがあります。
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