そもそも、ほとんどの政治家が、「どうやったら国民に届くのか」「国民の納得や理解を得ることができるのか」などまったく頭になく、言いたいことを言いっぱなしです。
多くの先進国では、「コミュニケーションのプロ」が政治家をサポートし、「どういう物言いで」「どういった形で」伝えれば国民の納得が得られるのかを分析しています。そうやって緻密に戦略化すると同時に、政治家自身も、弁論や演説のプロであるのが当たり前。
しかし、この国には、そうした専門家はほとんどいませんし、政治家自身がコミュニケーションに関しては、まったくのアマチュアです。
欧米の政治家より日本人の政治家が劣る「3つのポイント」
アメリカやオーストラリア、イギリスの政治家などと比べると日本人の政治家のコミュニケーションで特に劣っているのは、次の3点です。
まず、1点目がまさにこの「視線のずれ」です。
コミュニケーションにおいて最も大切なのは、徹底した「相手目線」。自分の言いたいことをただ言いっぱなしでは相手の理解も共感も得られません。
「聞き手の気持ちを慮り、その立場に立ってモノを言う」。それが、コロナ禍で支持を集める世界のリーダーの共通項なわけです。
「権力は人を腐敗させる」と言いますが、「権力を持って共感力を失った」のか、「共感力のない冷徹な人だからこそ、権力を持つようになる」のか、その両方かもしれません。
日本の多くの政治家が、「パンがないならケーキを食べればいい」と言ったという伝説のあるマリー・アントワネットのように、「庶民感覚」をなくしてしまっているのかもしれません。
ソクラテスは「大工と話すときは、大工の言葉を使え」と言いました。田中角栄氏が愛されたのは、まさにこの「平民の言葉」を使っていたからでしょう。
そっけなく、気持ちのこもらない「お上の言葉」は即刻、全面的に見直しをすべきです。
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