日本の政治家、「発言があまりに酷い」3大根本原因 「上から目線」「軽い」「無神経」もうウンザリです

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英語で「tone deaf」「音感がないこと」を指しますが、「音調を聞き取る聴覚に障害がある」ということで、「無神経」「世論に鈍感」であることも意味します。

星野源の曲に合わせて優雅にお茶を飲んだ安倍前首相の動画やアベノマスクなどが、まさに「tone deaf」と海外メディアにも嘲笑されたわけですが、彼の「鋼鉄の鈍感力」がまさに象徴的です。

「国民に寄り添ったメッセージ」は皆無に等しい

つい最近も、「歴史認識などにおいても一部から反日的ではないかと批判されている人たちが、今回の(オリンピックの)開催に強く反対しています」と、ある雑誌のインタビューで答え、ひんしゅくを買いました。

彼としては、われわれ国民というよりは、「野党や一部のメディア」など彼の忌み嫌う人たちを指したつもりだったようですが、一国の宰相であった人が「反日」などといった言葉をむやみに使うのは、決して賢い選択とは言えません

自分の「敵」に対して、安易なラベルを貼り、愚弄するやり方はトランプ前大統領とまったく同じであり、分断を招くやり方です。「彼を支持する人たちだけが喜ぶメッセージを発する」という意味でもトランプ氏によく似ています。

このインタビューの内容が残念だったのは、終始、「野党、特定のメディア憎し」感に貫かれ、国民に寄り添うメッセージがほぼなく、政敵の批判と自らの功績の披瀝に終始したことでした。

不安や不満や悩みを抱える国民の立場に立つのではなく、あくまでも「上から目線」でオリンピックの意義を、こう説きました。

「国民が同じ想い出を作ることはとても大切なんです。同じ感動をしたり、同じ体験をしていることは、自分たちがアイデンティティに向き合ったり、日本人としての誇りを形成していくうえでも欠かすことのできない大変重要な要素です。(中略)感動を共有することは、日本人同士の絆を確かめ合うことになる」

いかにも「日本人の国威発揚、しいては支持率アップのためにオリンピックはある」といったメッセージは、「世界平和」を旨とする五輪憲章とも異なり、彼自身が野党批判に使った「五輪を政治利用している」というコメントがそのまま当てはまるような印象さえ受けます。

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