日本の政治家、「発言があまりに酷い」3大根本原因 「上から目線」「軽い」「無神経」もうウンザリです

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西村大臣といえば、「灘高→東大→官僚→国会議員」というピカピカのエリートですから、IQの高さはお墨付き。ただ、どうも、話し方に血が通っていない。「『人の痛みや苦しみ』に鈍感なのでは……」という印象さえ受けてしまいます。

激務でお疲れもあるでしょうから、一方的に攻め立てるのは気の毒な気もしますが、側近、官僚など、周りに「さすがにこれはまずいでしょう……」とアドバイスする人がいなかったことは非常に残念です。いたとしても、押し切ったのかもしれませんが……。

人としての「温かみ」に欠けるこういうタイプは、「上下関係で物事を判断し、上にはおもねるが、下は人扱いしない」というところがあり、西村氏も周囲の職員が何人も辞める「パワハラ体質」だったという話も漏れ聞こえてきます。

リーダーに求められているのは「IQ」より「EQ」

今、リーダーに必須なのは、「IQ」よりも「EQ(こころの知能指数)」だとされています。「EQ」とは「自分や人の感情を理解し、共感し、人間関係を構築する力」を意味しますが、欧米ではこの「IQ vs. EQ」の議論が盛んで研究が進んでいます。

頭の良さより『好感度』で人生が決まる納得理由」の記事でも触れたとおり、人の成功の8割、もしくはそれ以上が「EQ」で決まるという説もあるほどです。

『コミュ力お化け』小池氏の『最強コミュ術』大解剖」でも紹介しましたが、イギリスの研究によると、政治への不信感が強い近年、海外の政治家は、堅苦しく冷たい印象の「プロの政治家」というイメージを払拭し、「Just like us(私たちと同じ)」という庶民的で等身大のイメージ醸成する方向にシフトしています。

「親しみやすさ」と「人気」は極めて強い相関関係があります。現代の政治家にとっては、市民に寄り添い、「あなたの気持ち、よくわかりますよ」と強い「共感力」を見せていくことが不可欠だということなのです。

今、世界の民主主義国では求められるリーダー像が、トップダウンで一方的に指示する「教官型」から、寄り添い、励ます「共感型」へと変わってきていますが、日本の政界や経済界ではまだ、そのパラダイムシフト、思考の転換ができていないようです。

この国の政治家の「上から目線感」「『俺たちは上級国民』臭」は目に余るものがあります

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