「団塊の世代」の年金は維持できるか--「失われた20年」と年金の危機

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「団塊の世代」の年金は維持できるか--「失われた20年」と年金の危機

企業年金など年金問題で団塊の世代に取材する機会があった。いまや、団塊の世代が、年金を受給する世代になろうとしている。

団塊の世代が、大学を出て、就職した1970年代前半は好景気で、「青田買い」の状態だった。大学3年生の期末試験の成績が出る前に就職が決まった。つまり、大学1、2年生の成績と面接で、銀行、生損保、証券などの金融機関や有力メーカーに就職していった。
大学4年生になった4月には、大半の就職が決まっている状態だった。氷河期ではなく、就職は「超温暖期」だった。

この団塊の世代が、前の世代の年金を支えるピラミッドの底辺を支えた。団塊の世代は、人口が多く、好景気で大企業に就職し、公的年金、企業年金に好循環をもたらした。
経済は右肩上がり、今日より明日、明日よりあさってはよくなるという確信を実感できた時代だった。

不動産バブル崩壊に大きくつまずいた団塊の世代

団塊の世代は、1990年代前半の不動産バブル崩壊で大きくつまずいた。そしてその後の「失われた10年」「失われた20年」で大きなダメージを受けた。

もちろん、この「失われた20年」は、団塊の世代のみならず、日本全体に大きな負の影響をもたらしている。相対的に団塊の世代は、“幸福な世代”といえるのだが、団塊の世代もバブル崩壊では相当な打撃を受けている。

銀行、生損保、証券などの金融業は、倒産・廃業を含む巨大な業界再編成の大波にのみ込まれ、就業人口を大幅に減らした。

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