「部下をまるで育てられない上司」に欠けた視点 最悪、部下がただのやらされ集団になる危険も

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分かっている人にとっては当たり前のこの2つの教育、意外と両方「できている」人は少ないのです。

案外、どちらかになってしまっているんですよね。

手順だけ示して基準を示さないのは、本当によくあります。

手順さえ教えれば、その部下はひと通り仕事を進めることが出来ます。

・窓はこうやって掃除をするんだよ
・議事録はこうやって取るんだよ
・資料はこうやって作るんだよ

そうやって手順を示せば、「とりあえず」部下は仕事を進めてくれます。
ところが、手順がわかったとしても、どの状態にしたらいいのか、つまり「仕事のゴール=基準」がわからないので、その仕事がうまくいったのかどうか、部下は自分で判断できません。

丸投げはムダを生む

したがって、手順通りにやったとしても、仕事の品質基準が低くなったり、逆に過剰品質になって時間がかかり過ぎたりします。

その結果、多くのムダが生まれます。

逆に、基準だけ示して、「やり方は任せる」という、丸投げに近い教え方。これも本当によくやってしまうアプローチです。

「昔の職人さん」がまさにこのイメージです。いわゆる「見て盗め」スタイルで、上司がやっているのを見ながら「手順は自分で見つけろ」という大変非効率な育成方法です。

職人さんの肩を持つとすれば、この育成方法にもメリットはあります。
部下が自分で考えて動くようになったり、手順を自分で設計できる主体性と能力が身についたりすることもあるのですが、多くの場合、ムダに育成時間がかかってしまいます。

手順と基準は両方教育した方が、育成スピードは圧倒的に早くなります。

では、もっとも重要でありながら、最もぬけてしまいがちな3つめの教育を紹介しましょう。

③なぜの教育とは

「なぜの教育」とは、仕事の目的を考えさせる教育のことです。

・なぜこの仕事をするのか
・なぜ窓を掃除する必要があるのか
・なぜ議事録を取る必要があるのか
・なぜ資料を作る必要があるのか

この理由を教育できているかどうかが、部下の長期的な能力を伸ばす最重要項目なのです。

なぜ、「なぜの教育」が重要なのか。

それは、仕事には「有意味感」が必要だからです。

有意味感とは、その仕事に「意味がある」、「価値がある」と感じることです。

皆さんは、自分の仕事に有意味感がありますか?

有意味感の逆は「やらされ感」です。

「やらされ感」でやる仕事は、嫌ですよね。

どれだけ「手順」と「基準」を示されても、「有意味感」がなければただの「やらされ仕事」です。

これから育てる皆さんの部下が、「有意味感」を持っているかどうかが、部下育成の効果を180度変えます。

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