「部下をまるで育てられない上司」に欠けた視点 最悪、部下がただのやらされ集団になる危険も
部下を育成しようとして、真っ先に浮かぶのは「マニュアル」ではないですか?
いいマニュアルさえあれば、部下がそれを見て勝手に育ってくれる。
都合のいいマニュアルがあれば……。そう願うのが、世のリーダーの常です。
そんなリーダーにならないために、ここで一歩立ち止まり、マニュアルについて考えましょう。
「手順教育」と「基準教育」
私たちが何気なく使っている「マニュアル」、実は、「手順書」と訳されます。
仕事の「手順」を分解して誰でもできるように示したもの、それがマニュアルです。
つまり、手順教育とは、マニュアル教育といって差し支えありません。
例えば窓掃除を教えようと思えば、
②少し濡らした布巾で汚れを拭き取る
③乾いた布巾で乾拭きをする
④しっかり乾燥させる
といった手順を教えれば、誰でも同じように掃除ができます。カンタンですね。
これが「手順教育」です。
マニュアルというと、分厚い説明書をイメージしてしまいますが、あなたがやっている仕事を分解し、順番に並べるだけでいいのです。
一方で、「基準教育」とは、「どの状態に持っていけばゴールなのかを教える教育」のことです。
「この状態がゴールだよ」と、仕事の「達成基準」を教えてあげるのが基準教育です。
「達成基準」なんて四字熟語で書いてしまうと、難しそうに感じるかもしれませんが、なんのことはありません。あなたの仕事が達成された状態を伝えてあげればいいだけです。
例えば、さきほどの窓掃除、「仕事を達成した状態」とは、どんな状態でしょうか?
窓掃除したのに「拭きムラだらけ」な人がいませんか?
正面からみたらきれいな窓なのに、斜めから見たら拭きムラだらけ。
これでは仕事が終わったとは言えませんよね。
仕事は、「手順」を進めるだけでは完成しません。ちゃんと達成基準に向けて完了しなければいけないのです。
さあ、「手順教育」と「基準教育」の違い、理解できましたか?