日本人を貧しくする商習慣「中抜き」がヤバい訳

中間マージン取るだけのムダな会社が多すぎる

日本に蔓延する「中間搾取・丸投げ」のリスクとは?(写真:bee/PIXTA)
<持続化給付金の再委託問題で注目された「中抜き・丸投げ」が、日本経済の大きな足かせとなっている構図を解説>

政府の持続化給付金事業を受託した組織が、業務を外部企業に再委託していたことが問題視されている。税金を使った事業であることから世間の批判を集めることになったが、業務を請け負った企業が一定の利益を控除したのち、別の組織に再発注するという、いわゆる「中抜き」や「丸投げ」は、日本の企業社会において特段、珍しい光景ではない。この商習慣は重層的な下請け構造と密接に関係しており、日本の生産性を引き下げる要因の1つとなっている。

当記事は「ニューズウィーク日本版」(CCCメディアハウス)からの転載記事です。元記事はこちら

よく知られているように日本の労働生産性は先進国中最下位であり、一度も最下位から脱却したことはない。労働生産性は賃金や経済成長と極めて密接な関係があり、労働生産性が低いことが日本の低賃金や低成長の原因である可能性は高い。

日本人の生産性が低い理由

生産性の伸び悩みにはさまざまな要因があるが、その1つとされているのが硬直化した産業構造である。日本の産業界では、元請け企業が下請け企業に発注し、下請け企業はさらに孫請け企業に発注するという重層的な下請け構造がよく見られる。産業が階層構造になること自体は海外でも珍しいことではなく、役割分担に応じて適切な構造を形成するのであれば何の問題もないが、ヒエラルキーの維持が目的化されてしまうと著しい非効率化を招く。

統計の取り方にもよるが、日本はアメリカと比較して人口当たりの会社数が19%も多い。人口比で会社数が多いということは企業規模が相対的に小さいことを意味しており、実際、中小企業で働く労働者の比率はアメリカよりも高い。つまり、日本は人口に比して会社数が多いということだが、原因の1つが中間マージンを取ることだけを目的にするムダな事業者の存在である。

次ページ中抜きが日本に与える大きな悪影響
政治・経済の人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • スージー鈴木の「月間エンタメ大賞」
  • 映画界のキーパーソンに直撃
  • 新型コロナ、長期戦の混沌
  • 精神医療を問う
トレンドライブラリーAD
人気の動画
地方スーパーが撃沈「コスモス薬品」の破壊力
地方スーパーが撃沈「コスモス薬品」の破壊力
パチンコホール「ガイア」店舗撤退で大激変する勢力図
パチンコホール「ガイア」店舗撤退で大激変する勢力図
ネットで生卵がメチャメチャ売れる驚きの理由
ネットで生卵がメチャメチャ売れる驚きの理由
「上司の品格」を疑われる、やってはいけない7つの質問
「上司の品格」を疑われる、やってはいけない7つの質問
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
SDGsが迫る企業変革<br>ビジネスと人権

サプライチェーンの中で起きる人権侵害への意識が高まっています。欧米では法制化が着実に進展し、企業に対し人権リスクの把握と対策を求める動きが顕著に。欧米に比べて出遅れている日本企業の現状を多角的に検証します。

東洋経済education×ICT