ドラゴン桜の本質「東大合格に最重要な事」の正体 学力だけではない、受験の本当の難しさとは?

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生徒に共通テストの心構えを説く『ドラゴン桜』主人公の桜木建二(阿部寛)(写真:©︎TBS)
現在放送中のTBS系ドラマ「日曜劇場『ドラゴン桜』」は、元暴走族の弁護士である桜木建二(阿部寛)が、偏差値が低い子どもたちを東京大学合格に導くストーリーだ。ドラゴン桜ではさまざまな受験テクニックや勉強法が紹介されるだけでなく、学びになる名言も多い。そこで、短期連載として、原作漫画『ドラゴン桜2』(講談社)編集担当で、ドラマの脚本監修も行っている現役東大生の西岡壱誠氏が、自身の経験や取材も踏まえながら、ドラマから得られる教訓について解説する。
今回は「東大合格にいちばん必要な資質」について。
第1回:東大生も納得「ドラゴン桜」本質すぎる受験心得
第2回:「ドラゴン桜」見た東大生が語る「挫折の重要性」
第3回:ドラゴン桜で再確認「東大受かる思考力」習得法
第4回:ドラゴン桜でも実践!東大生は「頼る力」がすごい
第5回:本当?ドラゴン桜「性格悪い奴は東大落ちる」根拠
第6回:ドラゴン桜で理解「東大生が勉強好きになる秘密」
第7回:ドラゴン桜に学ぶ「東大受かる柔軟発想」の磨き方
第8回:ドラゴン桜秘伝「自分に合う勉強法」東大生の実例

「東大の倍率3倍」が持つ意味

昨日の日曜劇場『ドラゴン桜』9話では、いよいよ共通テストに挑戦することになりました。いよいよ受験本番、最後の大詰めの時期になってきたわけなのですが、この時期の受験生に対して、桜木先生はこんなことを言いました。

「マラソンも遠泳も、途中棄権せず、最後まで走りきったものが成功を手にする。受験も持久戦だ。最後まで諦めるな」

そうなのです。実は受験をするうえでいちばん難しいのは、「初志貫徹」ということ。東大を目指し、モチベーションを持ち、そしてそれを維持することがすごく難しいのです。今日は今までの内容とは少し毛色を変えて、ドラゴン桜の根本にある思想について、お話ししたいと思います。

みなさんは、東大の倍率を知っていますか。

実は3倍です。9000人くらいの受験者の中から3000人に合格者が絞られます。逆に、早稲田大学の倍率は学部によって分かれていて、東大よりも高めで6~20倍くらいの学部が多いです。

こう聞いた時に、「あ、じゃあ東大受験は9000人がライバルなんだな」と考えがちです。しかし、この「9000人」とか「3倍」という数字の裏には、「途中で諦めた人間」が山ほどいるのです。

例えば、東大受験を志す人間の7~8割が受験するといわれている、駿台予備学校の実施する東大入試実践模試の8月の受験者数は、毎年1万2000人程度です。9000人を大きく上回っていますよね。

計算してみると、1万8000人くらいは8月の段階ではまだ「東大を受験しよう」と本気で考えているかもしれないのです。1万8000人って、9000人の2倍ですよね。じゃあ、残りの9000人はどこに行ったのでしょうか。

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