バイデン大統領は中国への強硬策をやめられない 新政権の政策を「予言」した米国政治学者に聞く
バイデンの特徴は内政と外交政策の密接な結びつき
――バイデン政権の中国政策とはどんなものでしょうか。
アメリカでは、中国戦略において関与政策(engagement)を採るべきか、競争政策を採るべきかというのが近年の論点だった。2000年代のブッシュ(子)政権では関与政策が支配的だった。彼らが実際に使ったフレーズとしては「中国には責任あるステークホルダーになってほしい」というものがある。しかしこの10年くらいは民主、共和両党とも競争政策の方向に動いた。その大きな流れの中にバイデン政権もあり、支配的なパラダイムは競争だ。
バイデン政権を読み解くポイントは、国内政治と外交政策が強く結びついていることだ。バイデン政権は、中国政策を成功させるカギは、(アメリカの国力を再強化するため)国内のインフラ投資や政治改革を成功させることにあると信じている。加えて中国との競争が、そうした法案可決や国内改革で共和党からの支持を得るためのカギになるとも考えている。「中国との競争」という新パラダイムを取り込む形で国内政治と外交政策が密接に関係し合うようになった。
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