自己変革できないと悩む人が陥っている意外な罠 原因は意志の弱さではなく無意識に妨げている

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でも、これを言い続けたことは自分にとってとても大きかった。この3つの言葉が行動指針となって自分自身を変革させていき、やがて「FREE, FLAT, FUN」になっていきます。とても単純ですが、何度も何度も言っているうちに、そうなるということです。

この言葉の変化がどういうことか自分なりに振り返ると、最初の3つの言葉は、自分自身の行動様式を変革させようとしていたものです。そして、「FREE, FLAT, FUN」は、自分の変革がある程度できてきたうえで、「社会をこうしていきたい」という想いです。いわば、内なる想いが外に向かうようになってきたのだと思います。

もう1つ考えを変える転機となったのが、2012年に、グロービス経営大学院でアルムナイ(卒業生)アワードを受賞したこと。アルムナイアワードというのは、卒業生のなかで卓越した活躍をした数名が年に一度受賞するもので、私のプラスにおける震災後の復旧対応が評価され選ばれました。

いつか選ばれるような成果を挙げたいと思ってはいましたが、実際に選ばれると、「アワードの壇上で、ドヤ顔してコメントする? ちょっと無理だろ……」という心境になってしまいました。

しかも表彰されるだけでなく、受賞者は授与式が行われるカンファレンスで、300人規模のセッションに登壇することになっている。私は困りました。周りからも「すごいですね!」と言われるのだけど、「何もすごくないし、どう考えてもまずいことになった」とかなりおよび及び腰でした。

でも、みんなが光栄な賞と考えるこのアワードを受賞した私が、「ちょっとスピーチは無理です」などといっていたら、それはあまりにダサすぎる。あとに続く人たちにとっても、まったく目標になりません。

迷ったらワイルドなほうを選ぶ

そこで、「迷ったらワイルドなほうを選ぶんだった」と腹をくくり、アルムナイアワードを機に、そこから人前に立って想いを宣言したり、語ったりする経験を少しずつ増やしていったのです。最初はそれこそ胃がよじれるような思いばかりで、「今日もなんとか終わった……」と日々乗り切るように経験を積んでいきました。

また、当時は会社のポジションでも、2011年5月に意思決定ラインに引き戻され、執行役員マーケティング本部長として約350人の組織のリーダーになりました。

そんな出来事が同時期に重なり、「自分の意思決定で決めていくのだ!」と、意識は多少高くなったものの、行動がまったくついていきませんでした。とにかく毎日一生懸命仕事をするだけ。ビジネスにおけるリーダーが果たすべき役割だとか、会社が社会に対して貢献すべき責任などといった視点は、まだ思うことすらできませんでした。

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