自己変革できないと悩む人が陥っている意外な罠 原因は意志の弱さではなく無意識に妨げている
仮に「決断力のあるリーダーになりたい」と思う人が、何かについて意思決定しようとしたとき、ある人は支持してくれるかもしれないけれど、ある人はショックを受けたり強く批判してきたりするかもしれません。
そのとき、これまで人間関係をそつなくこなして誰からも嫌われない自分でいたいと考えていたら、「決断できる人になりたい!」と願っても、その意思決定を妨げて、無意識のうちにみんなから文句をあまり言われない最大公約数的な行動に向かってしまうのです。
自分が変わろうとすることを無意識のうちに妨げて、永遠に変われなくなってしまうロジックです。これまでの「嫌われないような自分でいたい」と行動していた自分を否定することになるから、そうなるのです。
これは、多くの人間が持つ本質的な性質です。人は、変わることを恐れます。なるべく変わりたくないと思うし、実際にそう行動してしまう。そんな自分と戦いながら、自分の意思を育み、貫いていくには当然、時間がかかります。
その意味では、今この瞬間の人間の思考は、その人にとって「つねに最適化されている」ともいえます。合理的な思考や行動をした結果、今現在の自分が今あるようになっているにすぎません。
それを変えようとすると、それまでの自分にとって非合理的な行動になるため、なかなか変われないのです。自分を変えていくには、こうした「変化を妨げる本質的なメカニズム」を知っておくことも助けになります。そして知ったうえで、どう行動するかがとても大切になるのです。
モチベーションに頼ってはいけない
私は、自分を変えるために「モチベーションに頼ってはいけない」とよく伝えています。モチベーションは行動のエンジンとして大事なものですが、それよりも重要なのは、やはり習慣です。習慣をもって、自分を変えていくのです。
やる気があろうがなかろうが、歯を磨くように行動できるかどうかがすべて。「今日はモチベーションが高いから、歯磨きを一生懸命やるぜ!」と思って歯磨きをしますか? そうではなく、単に習慣として磨いているのだと思います。
仕事も生活も、人生全般にそれがいえます。やる気がなかったからできないではなく(たまにそんなときもあるけれど)、やる気がなくても、自分の想いに沿った行動が取れるといい。
では、どうすればいつもベストなパフォーマンスを発揮できるのでしょう? それは、毎日なんらかの行動やアウトプットをし続けることです。私の場合は、自分の思考を「言語化」することを意図的にやり続けました。
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