自己変革できないと悩む人が陥っている意外な罠 原因は意志の弱さではなく無意識に妨げている

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自己変革を成し遂げるためのコツを解説します(写真:freeangle/PIXTA)
「自分を変えよう」と思っても、実際はなかなか変われない……そうした経験を持つ人は少なからずいるのではないでしょうか。それは、決して意志や気持ちが弱いからではなく、無意識のうちに自分が変わることを妨げていることが原因です。「自分を変えていくには、『変化を妨げる本質的なメカニズム』を知ったうえで、どう行動するかがとても大切になる」と、長きにわたって次代の経営者やリーダー育成に携わってきた伊藤羊一氏は言います。新著『FREE, FLAT, FUN これからの僕たちに必要なマインド』を上梓した伊藤氏が、自分を変えるための方法を解説します。

毎日の行動の40%は習慣によるもの

人が変わるのになぜ時間と労力がかかるのか。変わろうと思っても、なかなか変われないのは、人間が習慣の生き物だからです。一説によると、毎日の行動の実に40%が習慣によるものといわれるほどです。

かつて私が大きな学びを得た、ロバート・キーガン、リサ・ラスコウ・レイヒー著『なぜ人と組織は変われないのか ハーバード流自己変革の理論と実践』(英治出版)という本があります。この本には、人や組織が変わろうと思ってもなぜ変われないのかという難題に対するメカニズムが詳しく説明されています。

私の場合、まず東日本大震災のときに「自分を変えよう!自分の意思で自分の行動を決めていこう!」と心から思いました。でも、自分を変えようと思っても、なかなか変われない自分もいた。これは、多くのリーダーたちの悩みにも通じる面があるのではないでしょうか。

例えば、自分の意思に従って、決断力のあるリーダーになりたいと思ったとしましょう。私もそうでした。ところが、そうなれない自分がどこかにいるのです。

これは、けっして意志や気持ちが弱いからではありません。それは、意志が弱いから変われないのではなく、無意識のうちに自分が変わることを妨げているからだというのです。表面的に「こうしたい!」と思っても、人は無意識にそれを妨げる行動を取ってしまうということです。

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