自己変革できないと悩む人が陥っている意外な罠 原因は意志の弱さではなく無意識に妨げている

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それでも「やっぱりそれだけではいけないな。リーダーのポジションについたものの、思考と行動はフォロワーが見ているよな」と思った私は、これまでの自分とはちがう地点に自分を「持ち上げていく」ために宣言し、行動を変えていくことに踏み出しました。

最初はとてもしんどく感じましたが、振り返ってみれば、このときに「リーダーを演じること」でリーダーになっていくと意識し、行動したのだと思います。

エイミー・カディというアメリカの社会心理学者が「TED Global」(さまざまな分野で活躍する人物が登壇する世界的講演会。「TED Talks」でネット視聴可能)で、「ボディランゲージが人をつくる」として、そうした振る舞いをする大切さを説いています。「ふりをする」ことで、そのようになっていくということですね。

私は文字どおり、リーダーを「演じた」のです。演じていると、話し方が変わり、やがて行動も少しずつ変わってきます。そんな振る舞いを、毎日愚直に繰り返す。結局のところ、素のままの自分で無理なことをやるのだから、演じるしかありません。

多かれ少なかれ、どんな人にだって「これは無理!」と思うような状況が必ずやってきます。みなさんにも経験があると思います。そんなときに、その状況を受けて立ち、乗り越えていくには、無理やりにでも変化した自分を演じるくらいの行動が必要だと思います。

苦しい経験を経ながら、人は少しずつ変わっていく

私自身もそうですが、人は急に変わることはできません。必死に息継ぎしながら、表面的には平気なふりをして前へと泳いでいくような、そんな苦しい経験を経ながら、人は少しずつ変わっていくのです。

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「リーダーを演じる」というのは、語感こそあまりよくないですが、実はリーダーのあるべき姿、スタンスのひとつではないかと感じています。「自分ではないリーダー」を演じることで、その外側に自分がいて、その「演じている姿」を自分が客観的に見ることができます。

自分自身として、この振る舞いを変えよう、この考え方を変えようというのは大変ですが、「演じているリーダーをリモートコントロールで望ましい姿に変える」というのは、素の自分を変えるより楽なはずです。それは自分自身ではなく、「演じているリーダー」と割り切れるから。

要するに、「リーダーを演じる」意識を持って行動すると、俯瞰して自分をとらえ、変えていくのが容易になるということです。

伊藤 羊一 武蔵野大学アントレプレナーシップ学部 学部長

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いとう よういち / Yoichi Ito

アントレプレナーシップを抱き、世界をより良いものにするために活動する次世代リーダーを育成するスペシャリスト。2021年に武蔵野大学アントレプレナーシップ学部(武蔵野EMC)を開設し学部長に就任。2023年6月にスタートアップスタジオ「Musashino Valley」をオープン。「次のステップ」に踏み出そうとするすべての人を支援する。また、Zアカデミア学長として次世代リーダー開発を行う。代表作「1分で話せ」は60万部のベストセラーに。

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