ビズリーチが採用面接の全履歴を残すワケ 採用の成否は、数年後に初めてわかる

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なお、ビズリーチの場合は、1次面接を受け持った人が、次の面接官を指定します。これも前回の記事に書いたインパクター、フォロワー、モチベーター、クローザーといった面接時の役割分担にのっとり、「次はモチベーターの役割の人に話をしてもらったほうがいい」などと主体的に考えて、面接の流れを組み立てていくのです。

面接の内容を可視化して採用基準を統一する

履歴を詳細に残し、面接の内容を記録していくことでわかるのは、「この人はこういうところを見て面接しているんだ」といった面接担当者の傾向です。各自が自分の判断にお互いの観点を取り込んでいくことにより、面接者同士の目線合わせができていきます。

また、これを繰り返していくことによって、会社としての採用基準が均一化していきます。他者の判断方法を知ることで、誰が面接しても基本的な判断のポイントが同じになってくるため、面接をする側がブレずに判断できるようになるのです。

過去の履歴を残すことは面接官の技量の向上にも役に立っています。自分自身の面接を振り返って文章化していくことにより、自分はどんな内容を話して、どの言葉が相手の琴線に響いたのか、何がよくなかったのかなどの反省をすることができます。同時に、ほかの人がどんな事例を出しているのか、どんな質問を投げかけているのかなどを分析し、よりよいアプローチを探ることができます。まさに、面接におけるPDCAを繰り返し、自分の技量を上げていくことができるというわけです。

この連載で再三、お話していますが、人材採用は営業活動と同じです。この面接時の振り返りに関しても、営業トークを磨いていくのと似ています。面接は、相手を判断すると同時に、ビズリーチのことをもっと理解して、ファンになってもらうためのステップでもあります。何をどう伝えると相手に刺さるのか、ビズリーチの面接担当者は、データを分析して日々考えているのです。

再度のラブコールに役立つ克明な記録

ビズリーチの採用面接履歴が生きるのは、選考が進んでいる間だけではありません。むしろ、半年後、1年後、そして入社数年後に、この履歴の真骨頂が発揮されるのです。

連載の3回目でお話したように、ビズリーチでは組織の成長と共に状況が変わり、新たなポジションが必要になった際に、内定を辞退された方々から条件に合う人を見つけ出して、再度ラブコールを行うことがあります。それが可能なのも、その人は面接で何を話してきたのか、なぜ弊社の内定を辞退したのかが克明に記録されているからです。

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