百年の紆余曲折が生んだ4.8リットル「超節水」トイレ《戦うNo.1技術》

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 昨年8月に最上位機種「ネオレスト」で国内最少の4・8リットル型を投入したのを手始めに、今年4月には中価格帯でも超節水型の新製品「GG」を発売。8月以降は普及価格帯で順次、4・8リットル便器の販売を開始する予定だ。足元では国内1割、海外でも2割程度の4・8リットル型の販売比率を、2年後に国内外で8割まで拡大させる計画である。

TOTOをはじめ、各メーカーが節水便器の開発を加速させている理由は、消費者の環境意識の高まりだ。従来型の便器から4・8リットル便器に置き換えた場合、年間の洗浄水量は3分の1に削減(家族4人で使用した場合)となり、水道料金は1・3万円(1立方メートル当たり265円の場合)の節約が可能になる。

国内以上に、節水技術の有効性が発揮されるのが海外だ。世界的な人口増加や砂漠化を背景にして、水資源の重要性が高まる中、欧米各国や中国の都市部のように、1回当たりの洗浄水量を6リットル以下に規制する国や地域が増えているためだ。


 とはいえ、単純に洗浄水量を少なくするだけであれば、苦労は伴わない。1回で流れなければ、2度3度と水を流し続ければいい。問題は、1回の洗浄で汚物をきれいに下水管まで流すことができるかどうかだ。
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