競争力減退が著しい日本の航空業界、外資規制を撤廃すべきだ--ジョバンニ・ビジニャーニ IATA(国際航空運送協会)事務総長兼CEO
もう一つは、日本は国際民間航空機関(ICAO)の創立国の一つであるのに、空港使用料を設定するICAOのルールに従っていないことだ。
これは説明がつかないのではないか。ICAOでは細かく厳密なルールを設定しており、国内、国際線を問わず、同じ滑走路を使用する場合には使用料は同一でなくてはならない。したがって、日本がなぜこれに反することをするのか疑問だ。
--日本は高額な空港使用料を設定するため、自らハブ空港となる機会を逸しているともいえます。
空港使用料を安く設定できないと空港というインフラは効果的に使えない。特に中国において日本は大きなポテンシャルを持っているにもかかわらず、競争力をどんどん失っている。
日本は中国への玄関口としてハブとなるチャンスがあっても、韓国・仁川(インチョン)空港などにみすみす取られているのが現状だ。
また、新興国の台頭が日本の競争力を弱める結果を招いている。今年の航空業界の輸送量増加は一律にすべての地域というわけではない。アジア太平洋地域と中南米が大きく、中でも牽引しているのが20%増を見込む中国だ。
日本はアジア太平洋路線の輸送量に占めるシェアが09年に22%だったが、われわれの予測どおりだと、13年には13%のシェアにまで落ち込んでしまう。
過去10年で見れば、日本と中国の勢いの差は明らかだ。10年前の保有機材数はほぼ同じ480機だったが、現在は日本の540機に対して、中国は1400機に増えた。