競争力減退が著しい日本の航空業界、外資規制を撤廃すべきだ--ジョバンニ・ビジニャーニ IATA(国際航空運送協会)事務総長兼CEO


 自動車産業だって、日本はこれまでに外資との提携で、世界のリーダーとなってきた。それにもかかわらず、なぜ航空業界は外資規制で産業を守ろうとするのか。このシステムはもはや破綻している。

--外資規制は撤廃すべきで、国内線も国際線もすべて自由化すべきと、お考えですか。

基本的にはそうだ。航空会社といえども、これはあたかも動物園の中で飼われているような動物ということではなく、ごく普通の自然のものとしてとらえるべきだ。航空業界でも他の企業と同じような扱いをしてもらえればいい。

政府が介入すべき点は一つだけで十分。それは安全性の確保であり、政府のきちんとした認証、点検が必要だ。同時に、IATAでもIOSAという監査制度を設けている。定期的にチェックもしており、これをパスしなければ、IATAメンバーであり続けることはできないという厳しい制度だ。

--政府救済による日本航空の経営破綻についての見解は。

政府の介入という市場を歪めるような動きは、ないに越したことはない。しかし、国によってはそれを可能にする制度がある。

IATAとしては、できるだけ公正な競争を確保するために、不当なダンピングや独占禁止法に触れる反競争的な措置がとられないように努力する。日本政府や企業再生支援機構にはいろいろな情報を提供してもらい、日本航空再生のステップを確認していく。

(聞き手:鈴木雅幸編集長、冨岡 耕 撮影:尾形文繁 =週刊東洋経済2010年5月22日号)

Giovanni Bisignani
1946年ローマ生まれ。ローマ大学卒(法学修士)。89年から94年にアリタリア航空でCEO(最高経営責任者)を務め、同時にIATA役員とヨーロッパ航空協会の会長も兼任。2002年6月から現職。

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