政治献金「確定申告で取り戻す議員」の呆れる実態 “カネの抜け道"使う準備整えた39人実名公開

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「政治とカネ」のエキスパートで日本大学大学院講師の岩井奉信氏はこの問題について、「制度の欠陥と言えるでしょう」と明快に言い切った。

日本大学大学院講師の岩井奉信氏(写真:穐吉洋子)

岩井氏によると、政治資金規正法の改正を含む政治改革四法が1994年に成立した際、法の理念は「政治家個人の活動は寄付金を受け取ることを含めて資金管理団体で行う」という点にあった。

汚職や利益誘導の温床になるため、企業献金は政党のみを受け皿とするはずだった。

同時に、政治活動への個人献金を促進するため、寄付金の約3割という「世界でも有数の」(岩井氏)高い税額控除の仕組みも採用された。

政治家サイドの圧力で話が変わった

「ところが、政治家サイドからの圧力で当時の自治省が『政党支部も政党と同じ扱いにする』としたものだから、話が変わってしまった。議員一人ひとりが持っている政党支部は企業献金も受け入れることができて、何でもできる政治団体になった。『政党と同じ扱いで、政治家個人のための団体ではない』という位置づけだから、政治家の中には寄付金控除でうまく利用する人もいるということです」

岩井氏はさらに、こう言及した。

「寄付金控除の話は、政治家の間では有名な制度なんだと思います。“抜け道”として。だけど、これまでは『けしからん』という大きな声にはなっていなかった。大きな声になれば、政党側も姿勢を変えないといけない。そうじゃなければ、政治家個人の問題なので、党は口出しをせず、政治家個人のモラルの問題になってしまう。

確かなのは、国民の誰も納得できる話ではないということ。政治家個人が自分の政党支部に寄付して約3割もバックされるなんて、税制の優遇措置を逆手に取って3割もの還付金を手にするなんて……。制度の欠陥なんです。こんなこと、許されることではないですよ」

取材:本間誠也/フロントラインプレス(FrontlinePress)

Frontline Press

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「誰も知らない世界を 誰もが知る世界に」を掲げる取材記者グループ(代表=高田昌幸・東京都市大学メディア情報学部教授)。2019年5月に合同会社を設立して正式に発足。調査報道や手触り感のあるルポを軸に、新しいかたちでニュースを世に送り出す。取材記者や研究者ら約40人が参加。スマートニュース社の子会社「スローニュース」による調査報道支援プログラムの第1号に選定(2019年)、東洋経済「オンラインアワード2020」の「ソーシャルインパクト賞」を受賞(2020年)。公式HP https://frontlinepress.jp

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