政治献金「確定申告で取り戻す議員」の呆れる実態 “カネの抜け道"使う準備整えた39人実名公開
では、回答を寄せた18人の議員たちは、どんな説明をしたのか。その詳細は「スローニュース」上で報告したが、税額控除のためにしか用途のない「寄附金(税額)控除のための書類」を選管から取り寄せながら、「使わなかった」と説明した議員もいる。
自由民主党の衆院議員では、笹川博義氏(群馬3区)、中根一幸氏(埼玉6区・比例復活)、奥野信亮氏(近畿ブロック・比例単独)、穴見陽一氏(大分1区)、宮路拓馬氏(九州ブロック・比例単独)。参院議員では、高野光二郎氏(参院=徳島・高知選挙区)。立憲民主党はいずれも衆院議員の下条みつ氏(長野2区、立憲民主党)、宮川伸氏(千葉13区・比例復活、立憲民主党)、原口一博氏(佐賀1区)。
ただし、確定申告で還付を申請しないなら、なぜ、選管から「寄附金(税額)控除のための書類」を取り寄せたのかについては、きちんと説明できなかったり、あいまいなままだったりしたケースも多かった。
平井卓也・デジタル改革担当相も申請
寄付控除の対象額が最も大きかったのは、吉田統彦氏(衆院・愛知1区、立憲民主党)の6033万9672円である。これを寄付控除として申請したとすると、5年間で合計約1810万円の所得税が還付された計算だ。このほか、控除の対象額が多かった議員は、笹川博義氏(衆院・群馬3区、自由民主党)の4400万円、井野俊郎氏(衆院・群馬2区、自由民主党)の3650万円などと続いた。1000万円超の者も多い。
現職閣僚は自由民主党の衆院議員・平井卓也氏だ(香川1区)。デジタル改革担当、情報通信技術(IT)政策担当、内閣府特命担当大臣(マイナンバー制度)であり、デジタル政権を推進する菅義偉政権のキーパーソンでもある。
平井氏は2015、17年の寄付計1500万円について、税額控除のための書類を選管から受理していた。控除を申請して還付を受けていれば、計約450万円が戻ってきたことになる。資金管理団体と後援会には寄付していない。平井氏からはファクスで回答があり、事実上、控除申請したことを認めたうえで、次のように記していた。
「政治団体の政治資金につきましては、法令に従い適正に処理し、その収支を報告しています。個人の資産については、法令に基づき資産公開しており、法令に定める以外のことについては法令の趣旨に照らし回答しておりません。なお、政治資金規正法上、公職の候補者を含め個人から政党支部への寄付は特段禁止されておらず、また、租税特別措置法上、個人から政党支部への寄付は寄付金控除の対象になると承知しています」
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