「警察の裏金」暴露した男が語る内部告発の苦悩 顔出し・実名の記者会見から17年経た今の思い
「内部告発者は裏切り者」は現在も変わらない
――原田さんの内部告発から17回目の2月になりました。
札幌の弁護士会館で記者会見を開いたのは、2004年2月10日のことです。公益通報者保護法の公布は同じ年の6月ですから、まさに内部告発者の保護が問題となっていたころです。
組織内部の人間が、その組織内の不正行為を監督官庁や報道機関に知らせることは社会にとって必要かもしれませんが、一般的には、内部告発者は裏切り者です。それは公益通報者保護法が施行されて10年以上が経ち、「内部告発」「公益通報」という言葉が社会に広く浸透した現在も変わらないでしょう。
私自身は、自分が真の意味で内部告発者だったかどうか、疑問を持っています。当時、大問題となった警察の組織的裏金づくりは、そもそも旭川中央警察署に勤務し、会計に携わっていたと思われる人物が、偽造された会計書類をテレビ朝日と共産党に送ったことが発端です。
それが報道されて問題が拡大し、北海道議会でも大きな議論になっていた時期に、私は記者会見しました。本当の内部告発者は最初の人物です。私は結果的に、それをサポートしたにすぎません。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら