親がわが子を受験戦争から撤退させられない理由

シンガポール政府の目玉改革への親たちの本音

教育移住地として人気の高いシンガポール。そこから日本が学べることとは?(写真:筆者撮影)

日本の中学受験について描いた漫画『二月の勝者』がドラマ化されることになったが、この漫画の中で、こんなシーンがある。

夏休みに頑張って勉強した小学6年生の子どもたちが、休み明けの模試で「以前よりも問題が解けた」との手ごたえを感じるのに、偏差値は上がらず、場合によっては下がってしまいショックを受ける――。

偏差値は、その母集団における相対的な位置を示すので、皆が頑張れば自分の位置は変わらず、上がらない。頭ではわかっていても、実際に体験すると酷なもので、こうした相対評価によるジレンマに悩まされる親子は多いのではないか。

「偏差値至上主義」はなくなっていない?

ジャーナリストの中野円佳さんによる新連載、第3回目です(画像をクリックすると連載一覧にジャンプします)

偏差値を上げるためにひたすら知識を詰め込むような教育は従来から批判されており、過去こうした批判や変化への対応の必要性を受けて、「ゆとり教育」が実施された。近年は、「AI時代には……」といった名目でさらなる”新しい能力”の必要性も叫ばれてもいる。それでも基礎的な学力は不要とはなっておらず、今現在もなお、国語や算数などの教科をベースとした”旧来型学力”での受験戦争は、ある層において健在だ。

こうした”旧来型学力”を測るとも言える国際学力試験、TIMSS(国際数学・理科教育動向調査)で、小学校・中学校それぞれの理科と算数の1位を総なめするのがシンガポールだ(2019年)。

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