婚活で失恋を繰り返した女性が成婚した理由 108本のバラの花束とともにプロポーズされた

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そして、その週末に、私は頼子と面談をした。元気はなかったが、頼子は言った。

「振られたばかりのときは、婚活をやめようかと思いました。でも、この1週間よくよく考えたら、自然に出会うのを待っていたら無駄に歳を取ってしまう。それなら、今頑張ったほうがいいなって」

また前に進む決意をしてくれたことに、私は安堵した。

そこから頼子の婚活が、リスタートした。いくつかの見合いをしたがうまくいかず、年が明けて見合いをした相手が、今回成婚になった諭だった。

お互いに住んでいる場所は、電車を使うと2時間はかかる距離だったのだが、毎週末、諭が高速を使い車で頼子に会いに来てくれた。そして、郊外に出かけるドライブデートを楽しんでいたようだ。

6回のデートを重ねたところで、諭の相談所から、“真剣交際“に入る打診があった。もちろん頼子は快諾した。

真剣交際に入ってからは、諭の仕事が早く終わった日にはウィークデーでも、車を飛ばして頼子に会いに来てくれていたという。

そして、3月のとある週末に、冒頭のプロポーズとなった。

結婚できる人は、結婚を諦めなかった人

私の相談所では、成婚が決まったカップルをご招待して、ささやかであるがランチをしながらのお祝い会をしている。

4月吉日のお祝い会での頼子の笑顔は、幸せに満ちあふれていた。諭は、朴訥としながらもユーモアがあり、すてきな男性だった。

ランチをしながら、頼子が言った。

「食事の後の食器洗いは、諭さんがしてくれるんです。最初だけかなと思ったら、毎回なのですごくびっくりしてます」

すると、諭が言った。

「とにかく料理上手なんですよ。そこらへんで外食するより、よっぽどおいしい。そうやって毎回僕のためにおいしいものを作ってくれるので、感謝の気持ちを伝えたくて」

こんなふうに感謝や思いやりをもって、日々の生活を紡いでいってほしいなと、目の前の2人を見て思った。

今の時代、結婚は個人の選択に委ねられている。結婚することだけが、幸せな人生だとは限らない。だだ、もしも結婚したいと思って、婚活を始めたのなら、どんなにつらくても途中で諦めてほしくないと思う。自然に生活をしていて、そこで結婚相手に巡り合えるのは、歳を重ねれば重ねただけ、難しくなっていくのだから。

結婚できるのは、どういう人か。それは、最後まで結婚することを諦めなかった人なのだ。

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