仲人として、婚活現場に関わる筆者が、婚活者に焦点を当てて、苦労や成功体験をリアルな声とともにお届けしていく連載。今回は、「つらい失恋を乗り越えて、成婚をつかんだ33歳女性」にスポットを当てて、彼女の成婚までの道のりをつづる。
108本のバラの花束とともにプロポーズ
3月のある週末の夜に、会員の頼子(仮名、33歳)からLINEが届いた。
「今夜、諭さん(仮名、40歳)から108本のバラの花束を手渡され、プロポーズをしていただきました」
LINEに添付されていた写真には、大きな真紅のバラの花束が写っていた。
昼間ドライブデートをして、夜、諭の家に行き、「ちょっと待っていて」と、彼が寝室に向かったかと思ったら、大きな真紅のバラの花束を抱えて戻ってきたという。そして、渡しながら、言った。
「結婚してください!」
バラは、色や本数で花言葉が違う。真紅は、「愛しています」。そして、108本は、「永遠に。一生に一度の決意。結婚してください」だ。
頼子からのLINEには、こんなこともつづられていた。
「婚活を始めて、好きになった相手から振られるたびに、“こんなにつらい気持ちになるなら。もう婚活はやめたい“と思っていました。でも、やめなくて本当によかった」
頼子も含め成婚できた人たちは、しみじみとこんなことを言う。
「これまでの道のりを振り返ったら、景色が変わっていた」と。
私は、婚活は険しい登山に似ていると思っている。頂上を目指して登っていくときに、その道が険しければ険しいほど、息絶え絶えになったり苦しかったりする。途中何度も登ることを諦めてしまおうと思うが、それでも登り切り、頂上にたどりついたときにはすがすがしい達成感とこのうえない幸せを感じる。そして、ふもとを見下ろすと、これまでのつらさがウソのように美しい景色が広がっているのだ。
それを感じることができるのは、途中放棄をせずに最後まで頑張り続けた人たちだけだ。
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