結婚を難しくする「子どもが欲しい」という気持ち
誠一(仮名、57歳)が、入会面談にやってきたのは、昨年11月の終わりのことだった。面談申し込みがネットから入ってきたときに、“50代後半、初婚“と記されていたことから、きっとあのセリフを言うのではないかと想像していた。40代後半、50代の男性は、決まってこう言う。
「子どもが欲しいんです!」
男性の場合、50代や60を超えてからも、父親になっている人たちがいる。女性も、40代半ばで母になる人たちがいる。それが有名人であったりすると、センセーショナルなニュースとなる。晩婚化が進む昨今、そうしたニュースを自分と重ねるのか、高年齢になっても出産を望む男女は多い。
面談ルームで、初めて誠一に会ったときに私は聞いた。
「初婚ですよね。お子さんは欲しいですか?」
すると彼は、穏やかな口調で言った。
「頭のどこかではそんな気持ちもありますが、年齢的なことを考えると難しいでしょうし、それよりもこれからの人生をともに歩んでいけるパートナーを探せればいいと思っています」
その言葉を聞いて、少し安心した。
婚活市場で、「自分の子どもを欲しい」と願う40代後半、50代、60代の初婚男性は、申し込みをかける女性を30代から41、2歳くらいまでと区切っている。そうなると、そこにどうしても年齢差ができる。
まずはお見合いが圧倒的に組みづらい。30代、ことにアラフォー女性たちは、できるだけ歳の近い人か年下と結婚をしたがっているからだ。こちらもまた、「最後のチャンスに子どもを産みたい」と考えているので、父親になる男性は、1歳でも若いほうがいいのだ。
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