「今お付き合いしている吉田さんとの交際を終了しようと思います」
里村隆造(42歳、仮名)から、メールが入ってきた。2カ月ほど前にお見合いをした吉田遥(34歳、仮名)と、すでに5回のデートを重ねていたときのことだった。
隆造は、これまで5人近い女性と交際に入っていたが、1、2度会うと交際終了になっていた。お見合いには“食事3回の壁”があり、会う回数が3回を超えると、お付き合いもトントン進んでいくという不文律がある。吉田遥とは、このまま交際が続けば結婚まで至るのではないかと、私は踏んでいた。
何があったのか、電話で理由を聞いてみた。
連れて行かれたのはカウンターだけのすし屋
「吉田さんは、とてもいい人だとは思います。ただグルメというか、舌が肥えている。今、お母さんと2人暮らしで、しょっちゅうおいしいものを食べ歩いているようなんです。デートで行く店も彼女が選ぶことが多いんですが、チェーン店の居酒屋とかではないから、食事代がかかる。僕の稼ぎでは手に負えません」
メーカーに勤める隆造の年収は、500万円だ。交際を終了しようと決めたときのデートは、こんな様子だった。
「午後から2人で映画を観て、その後喫茶店でお茶をして、夕食を食べることになったんです。『近くにおいしいおすし屋さんがある』と言って連れていかれたお店は、回転ずしではなくカウンター席だけの高級店でした。すでに映画代、お茶代を2人分払っていて、さらにすし。すし屋だからパッパと食べて、1時間もいなかったのに、会計が2万3000円だった。これまでデート代は、すべて払ってきましたけど、“こんなデートが今後も続いたら、もう無理だな”と。これで交際終了にしようと思ったので、初めて彼女から7000円だけおカネをもらいました」
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