57歳男性と44歳女性「初婚」で結婚できたワケ なぜスムーズに相手を見つけることができたか

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そして、2人で誠一の自宅に帰り、その夜は、母を誠一宅に招いて、初めて桃子に会わせた。母は、とてもよろこんでくれたという。

「私がこの歳になっても結婚しないことを心配していたのが母なので、うれしそうな顔を見てほっとしました。一番の親孝行になったんじゃないかと思っています」

2人は、3月31日に入籍をした。

理想の夫婦の形とは?

4月に入り、結婚の報告に来た誠一が言った。

「これまで結婚したいと思う女性とは、結婚できなかった。恋愛しても、結婚までは至らなかった。うまくいかないこと続きで、“どうしていつもこうなるんだろうと思っていました。でも、こうやって結婚できて、これまでの道のりを振り返ると、景色がガラリと変わって見える。桃子と出会うために、ここまで独身できたんだなと思えるんです。それと、彼女と出会うまでは、気持ちのどこかで、子どもが授かれたらとも思っていたんですが……」

一息ついて、しみじみと言った。

「長い人生の中で、男性も女性も子どもを授かれる時期って限られていますよね。期限があるから、かえって“最後のチャンスにと、そこにこだわってしまうのかもしれない。でも、考えてみたら夫婦って、協力して子育てをする時間よりも、子どもが巣立って2人で過ごす時間のほうが、人生の中では長いんですよ。私は、残りの人生を桃子と穏やかに楽しく暮らしていけたら、それが一番の幸せではないかと、今は思っています」

誠一の母のように子どもに恵まれながらも、夫に殴られ、義父母に虐げられた人生。子どもを授かりながらも離婚を選択する人たち。家族という形は成しているが、気持ちはすっかり離れていてまったく口をきかない仮面夫婦……。夫婦や家族のあり方はさまざまだ。

結婚にどんな形を求めるか、それは個人の自由な選択なのだが、30代後半、40代、50代の婚活者たちは、子どもを授かることや家族という形態を作ることによりも、まずは心のつながりを求める相手を探すことに考え方をシフトしてみたらどうだろうか。人生を歩むパートナーと子どもを1つのセットにしてしまうと、焦りも出てくるし、相手を見る目も曇るし、婚活がカラ回りしていく。

互いを思い合えるパートナーに巡り会えた誠一と桃子。そんな2人に、心から言いたい。

「本当におめでとうございます。これからも仲睦まじく、信頼し合って、日々を紡いでくださいね」

鎌田 れい 仲人・ライター

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かまた れい / Rei Kamata

雑誌や書籍のライター歴は30年。得意分野は、恋愛、婚活、芸能、ドキュメントなど。タレントの写真集や単行本の企画構成も。『週刊女性』では「人間ドキュメント」や婚活関連の記事を担当。「鎌田絵里」のペンネームで、恋愛少女小説(講談社X文庫)を書いていたことも。婚活パーティーで知り合った夫との結婚生活は19年。双子の女の子の母。自らのお見合い経験を生かして結婚相談所を主宰する仲人でもある。公式サイトはコチラ

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