気持ちも新たにして、私の相談所での婚活が始まった。8月にいくつかのお見合いを組み、そのうち37歳の義和(仮名)と42歳の光一(仮名)の2人と仮交際に入った。
2人とデートを重ねていたようだったが、1カ月後に、こんな連絡が来た。
「光一さんとは、交際終了にしようと思います」
光一は私の会員だったので、彼のどこがダメだったのかを聞いた。すると、こんな答えが返ってきた。
「ダメなところはないです。優しいし、気を遣ってくださるし、いい方だと思います。ただ義和さんを好きになったので」
光一は、穏やかなでマイペースなタイプ。一方義和は、女性をグイグイ引っ張っていくタイプだった。熱く仕事への思いや将来の夢を語る姿もすてきに見えた。
恋愛経験の少ない女性ほど男っぽい人にひかれる
恋愛経験の少ない女性ほど、穏やかないい人よりも、多少強引で男っぽいタイプにひかれてしまう。仲人の経験則で言えば、前者のタイプの男性と結婚したほうが、家庭生活は安定するし幸せになれるのだが、どうも女性たちの恋心に火がつかない。
光一を断る前に、私は義和の相談室に連絡を入れ、彼の気持ちを確認した。頼子の独りよがりで、義和だけに絞ってしまうのは、危険だと思ったからだ。
すると、彼の仲人は言った。
「頼子さんのことは、真剣に考えていますよ」
その言葉を伝えると、頼子はさらに義和に気持ちを入れてしまったようだった。そして、その後のデートで、彼女から結婚を前提にした真剣交際に入る話を持ちかけたようだ。ところが、彼から返ってきた言葉は、こうだった。
「まだ10回くらいしか会っていないじゃない。それに、“仮交際“とか“真剣交際“とか、付き合っていく気持ちを言葉でくくるのは、おかしいんじゃないの?」
この報告を頼子から受けたときに、彼の仲人の言葉とは裏腹に、本当に頼子を大切に思っているのか、いささか疑問に思った。
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