日立、中国のエレベーター市場で存在感 年間45万台マーケットを、三菱、コネ社と3社で争う

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頭打ちの国内市場もあきらめてはいない。新設だけでなく、既存の昇降機で、保守や耐震、省エネ対策など、リニューアル事業を積極的に狙っていく。まず新設の受注台数は、2013年度に5000台だったが、今後もほぼ横ばいを維持。それに対してリニューアル事業の受注台数は、2013年度の3300台を2015年度には5000台に増やす計画だ。

昇降機やビルメンテナンスを行う、都市開発システム事業の売上高は、2013年度で5626億円。日立全体の連結売上高(約9.6兆円)のわずか5.8%に過ぎな い。これを2015年度には同6100億円にし、海外比率も、2013年度の52%から2015年度には59%に引き上げる計画をブチ上げた。

日立グループの中では、決して中核とは言えないエレベーター事業。それでも今後の中国市場拡大の可能性に期待する声は少なくない。人材育成やサービス強化で基盤を造り、ライバル2社を蹴散らすことができるか。日立の底力が試されている。

富田 頌子 東洋経済 記者

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とみた しょうこ / Shoko Tomita

銀行を経て2014年東洋経済新報社入社。電機・家電量販店業界の担当記者や『週刊東洋経済』編集部を経験した後、「東洋経済オンライン」編集部へ。

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