日立は新ツートップで"世界"を攻める 東原専務が次期社長に、川村会長は取締役退任へ

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東原次期社長は「社会イノベーション事業をグローバルに展開していく」と力を込めた(撮影:今井康一)

改革から成長へ――。電機業界の“勝ち組”が新たなフェーズに移ろうとしている。

日立製作所は1月8日、社長交代を発表した。4月1日付で東原敏昭執行役専務(58)が社長兼COO(最高執行責任者)となり、中西宏明社長(67)は会長兼CEO(最高経営責任者)に就き取締役会の議長も兼務する。川村隆会長(74)は6月に取締役を退任し、相談役に就任する予定だ。

新社長となる東原氏は、中西社長と同じ、大みか工場で制御システムなどのプロジェクトに携わってきた。海外経験も豊富で、日立パワーヨーロッパ社プレジデントや日立プラントテクノロジー社長を歴任。2013年4月からはインフラシステム社の社長を務め、日立本体の次期社長候補の1人と目されてきた。

かねてから中西社長は後継者の条件に「グローバルでトップセールスができる人」を掲げていた。自身も軽いフットワークで年10回以上の海外出張をこなしている。東原氏を指名した理由として、「経験した分野が広いことに加え、フットワークが軽くて現場に強い」と評する。

昨年11月に発表したインフラシステム社の事業再編は、東原氏の肝いりだ。自らが社長を務めた日立プラントテクノロジーが本社へ吸収合併されたことを受け、今年4月付でインフラシステム社を「都市・エネルギー」「水処理」などの4分野に体制変更する。日立グループ内には親会社と子会社の間で暗黙の力関係があったが、親子間の垣根を越えて組織再編することで、中西社長が掲げる「One Hitachi」につなげるのが狙いだ。

東原次期社長は「日立で変えるべきはスピード感。グローバルで経営するには、東京だけでなく、地域ごとにオペレーションしていく必要がある」と意欲的で、中西社長の口癖でもある「グローバル」を繰り返し強調した。

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