ルネサス鶴岡工場、「独立構想」の全貌 ソニーの出資をテコに工場の存続を目指す

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再建計画の中で2~3年後の閉鎖が決まっているルネサスエレクトロニクス傘下のルネサス山形セミコンダクタ鶴岡工場(山形県鶴岡市)が揺れている。

ソニーがルネサス鶴岡への出資を目論むワケで詳述したように、今、ソニーは鶴岡工場買収の検討を始めている。CMOSイメージセンサーの増産拠点として活用したいソニーが想定しているのは、工場まるごとの買収である。しかし、その一方で、地元ではソニーの出資をテコにして「山形合弁ファウンドリー(仮称)」として独立を目指す構想が浮上しているのだ。

山形の地元財界も出資

地元・鶴岡の関係者たちは技術や雇用の維持のため、かねてより鶴岡工場の独立を模索してきた。これは、ソニーが鶴岡工場を買収した後、地元経済界が一定比率を出資することによって合弁会社へと移行させる構想で、ソニーの出資比率は70%程度となる。この構想にはソニー上層部も関心を示しているという。

任天堂向け混載DRAMの生産ラインも合弁会社に移行するため、現物出資により任天堂も出資者に名を連ねることになる。「一部の顧客に依存すると、稼働は不安定になりがち。バランスのいい形にするためには独立ファウンドリーとしたほうがいい」(関係者)。

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