日立は新ツートップで"世界"を攻める 東原専務が次期社長に、川村会長は取締役退任へ

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構造改革に一区切り

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左から、川村会長、東原専務、中西社長(撮影:今井康一)

電機勝ち組の筆頭とされる日立が今、トップ交代に踏み切った背景には、4年前から続けてきた構造改革への手応えがある。

2009年3月期に電機業界としては過去最悪となる7873億円の最終赤字に沈み、倒産の危機に瀕した日立だが、今2014年3月期は23期ぶりに過去最高営業益の更新が視野に入る。

2009年4月に子会社会長から本社社長に返り咲き、構造改革を行ってきた川村会長は「当時は会社全体のベクトルを合わせてV字回復をするため、(私のような)年寄りを投入した」と振り返る。大物OBやベテラン役員などの反発を封じ込めながら、上場子会社の完全子会社化や半導体事業の再編といった思い切った構造改革を断行してきた。

「もう2009年頃のようなグループ内の雰囲気はない」(川村会長)。2010年から社長として構造改革を進めてきた中西氏も、「危機的状況からのリカバリーは果たすことができた。成長の手応えを感じている」と自信を見せる。今年4月から中西氏は会長兼CEOとして経営戦略を立てながら財界活動も担当し、東原次期社長は現場や顧客の近くで戦略を実行に移していくという。

一方、経団連の次期会長候補として有力視されてきた川村会長だが、「財界や政府に対する活動は、現役で仕事をしている人物が適している。経団連は今年で副会長職が任期終了になるので、それをもって終了させていただきたい」と明言した。

日立は2015年度に売上高10兆円(2012年度は9兆円)、営業利益率7%超(同4.9%)、海外売上高比率50%超(同41%)という目標を掲げている。カギを握るのは、海外での成長にほかならない。「今の状況に自己満足せず、さらに成長するには、若い力で今の状況をベースに発展して欲しい」(川村会長)。グローバルで日立の底力を発揮できるか。海外経験が豊富な新たなツートップの力が問われている。

前田 佳子 東洋経済 記者

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まえだ よしこ / Yoshiko Maeda

会社四季報センター記者

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