中国半導体「SMIC」、露光装置の調達継続にメド

米政府の制裁下で、蘭ASMLとの大口契約に調印

SMICが今回発表した購入契約に、最先端のEUV露光装置は含まれていないもようだ。写真は組み立ての最終段階にあるEUV露光装置(ASML提供)

中国の半導体受託生産最大手の中芯国際集成電路製造(SMIC)は3月3日、オランダのASMLと半導体の製造に不可欠な露光装置の購入契約を結んだと発表した。2月に合意していた露光装置の大量購入協議に基づくもので、期間は2020年3月16日から2021年3月2日まで、契約総額は12億ドル(約1282億円)にのぼる。

今回の契約調印は、SMICにとって極めて重要な意味を持つ。2020年12月18日、アメリカ政府は安全保障や外交政策上の利益に反すると判断した企業等を列挙した「エンティティー・リスト」にSMICを追加した。ASMLの露光装置にもアメリカ製の部品やソフトウェアが使われており、SMICによる調達が阻止される可能性があったからだ。

微細な電子回路をシリコンウエハー上に焼き付ける露光装置で、ASMLは世界トップの市場シェアを誇る。なかでも回線幅7nm(ナノメートル)以下の最先端のプロセスに使われるEUV(極端紫外線)露光装置を供給できるメーカーは、現時点では全世界にASMLしかない。

最先端のEUV露光装置は含まれず

なお、SMICはASMLから購入する露光装置の具体的な機種名は公表しなかった。財新記者の取材に応じた関係者によれば、今回の契約のなかにEUV露光装置は含まれていないという。

アメリカ政府の制裁下では、アメリカ由来の技術が使われた製品をSMICに販売する場合、事前にアメリカ商務省の輸出許可を得る必要がある。その影響について、ASMLのロジャー・ダッセン最高財務責任者(CFO)は2020年10月、同年7~9月期の決算説明会で次のように語っていた。

「一般論で言えば、オランダからDUV(深紫外線)露光装置を輸出する場合、アメリカ政府に許可を申請する必要はない」

本記事は「財新」の提供記事です

半導体業界専門のアナリストによれば、アメリカの装置・材料メーカーによる輸出申請も、比較的スムーズに許可が下りているという。このためDUV露光装置で対応できる10nm以上の半導体の製造に関しては、「装置や材料の調達に大きな支障はないだろう」と、このアナリストは見る。

(財新記者:屈慧)
※原文の配信は3月4日

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