中国の新興EV(電気自動車)メーカーの理想汽車は2月25日、2020年10~12月期および通期の決算報告を発表した。それによれば、10~12月期の売上高は41億5000万元(約682億円)と、直前の7~9月期から65.2%増加した。
2020年10~12月期の純利益は1億750万元(約17億6730万円)と、四半期ベースで初の黒字化を実現した。また、2020年の通期の純損益は1億5200万元(約25億円)の赤字となり、2019年の24億4000万元(約401億円)から赤字額が大幅に縮小した。
理想汽車は2015年に設立され、2020年7月にアメリカのナスダックに株式を上場した。2019年末にデリバリーを開始した初のモデル「理想One」は、通常型のEVに発電専用エンジンを追加して航続距離を伸ばした「レンジエクステンダー型」のEVだ。(補助金など優遇措置の基準になる)中国政府の定義上はプラグインハイブリット車(PHV)に分類される。
決算報告によれば、2020年の理想Oneの販売台数は3万2600台に達し、2021年2月18日には累計販売台数が4万台を突破した。理想汽車の説明では、理想Oneの販売ペースは新興EVメーカーのなかで最速だという。
研究開発費の半分以上を自動運転技術に
現在、理想汽車は理想Oneに続く新型車の開発を急いでいる。同社の創業者でCEO(最高経営責任者)の李想氏は、「2022年以降は毎年2車種の新モデルを投入する」と決算説明会で意気込みを語った。
江蘇省常州市にある工場では、目下SUVタイプの新型車の量産に向けた設備改造を進めており、2022年に発売する予定だ。また、2023年には(発電用エンジンを搭載しない)初の通常型EVのデリバリーを開始する。このモデルは、動力源の電池に低コストのリン酸鉄系リチウムイオン電池を搭載することを検討している。
同社のCFO(最高財務責任者)を務める李鉄氏は、2022年の研究開発費が30億元(約493億円)に達する見込みだとし、今後3年以内に年間60億元(約986億円)に増加するとの予想を示した。その半分以上が自動運転技術の開発に充てられるという。
さらに、理想汽車は販売網の大胆な拡充計画も披露した。2021年中に販売店の数を現在の60店舗から200店舗へと3倍以上に増やし、中国国内の100都市をカバー。それにより、新型車の連続投入で販売モデルが増加するのに対応するもくろみだ。
(財新記者:劉雨錕)
※原文の配信は2月26日
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