中国のインターネット検索最大手の百度(バイドゥ)は1月11日、中堅自動車メーカーの吉利汽車(ジーリー)と合弁会社を設立し、電気自動車(EV)の製造に乗り出すと発表した。
合弁会社の社名は「百度汽車」で、経営上の一定のフリーハンドを持つ独立企業として運営される。ある吉利汽車の関係者によれば、同社は百度の戦略的パートナーという立場をとり、合弁会社には百度が過半出資して経営権を握るという。
なお、吉利汽車は同じ日に声明を出し、百度汽車のEVは吉利汽車が2020年9月に鳴り物入りで発表した次世代プラットフォーム(車台)の「SEA浩瀚」をベースに開発されると明らかにした。
このプラットフォームはセダン、SUV、ピックアップトラックなど異なる車型の開発に対応でき、車載ソフトウェアのアップデートで自動運転などの最新機能を追加できるのが売り物だ。
2013年から自動運転技術の研究開始
百度は2013年に自動運転技術の研究開発をスタートし、2017年に自動運転技術開発のオープン・プラットフォーム「Apollo(アポロ)」をリリース。中国国内の複数の地方で自動運転車両のテスト走行を重ねてきた。
同社はこれまで培ってきたAI(人工知能)技術やApolloの自動運転技術、独自開発の車載OS(基本ソフト)「小度車載」、地図アプリ「百度地図」などのソフトウェア技術を百度汽車でのEV開発に生かす考えだ。
EV業界への参入を目指すIT大手は百度だけではない。例えばライドシェア大手の滴滴出行(ディディ)は2020年11月、EV大手の比亜迪(BYD)と共同開発したライドシェア専用車「D1」を発表。同月には中国の自動車最大手の上海汽車集団も、ITサービス大手の阿里巴巴集団(アリババ)と共同で高級EVの新ブランド「智己汽車」を立ち上げると発表した。
だが、IT大手が自らEVメーカーを設立して経営権を確保し、直接クルマ作りを手がけるのは百度が初の事例になりそうだ。
(財新記者:劉雨錕、葉展旗)
※原文の配信は1月11日
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