中国国家統計局が1月18日に発表した速報値によれば、中国の2020年の国内総生産(GDP)は101兆6000億元(約1628兆円)と初めて100兆元の大台を突破した。しかし2020年初の新型コロナウイルス流行の影響で、前年比の成長率は2.3%と1992年以来の最低水準を記録した。
なお、同時に発表された2020年10~12月期のGDPは前年同期比6.5%増加し、前年同期の成長率(6.0%)を上回った。これは、中国経済が2020年末までに新型コロナの影響から基本的に脱却した表れと言えそうだ。
2020年の経済運営について国家統計局は、国民経済を(コロナ禍から)安定的に回復させるとともに、雇用や市民生活の安定を維持し、貧困の撲滅でも大きな成果を上げたと高く評価した。その一方、新型コロナをめぐる現状には(国内での再流行リスクなど)多くの不確実性が存在し、経済回復の基盤はまだ堅固とは言えないとも指摘した。
サービス業も下半期には回復が加速
産業セクター別では、2020年は農業中心の第1次産業の成長率が3.0%、工業中心の第2次産業が2.6%と、ともにGDPの全体成長率を上回った。これに対し、サービス業が中心の第3次産業の成長率は2.1%と全体成長率を割り込み、明暗が分かれた。
もっとも、中国国内では2020年下半期には新型コロナの流行が抑え込まれ、各種の防疫措置の緩和とともに第3次産業の回復が加速した。その結果、2020年10~12月期のサービス業生産指数は前年同期比7.7%増となり、直前の7~9月期より3.4ポイント上昇した。
また、同じ第3次産業でも業種によって濃淡があり、一部の業種は目覚ましい成長を見せた。例えば、通信・ソフトウェア・情報技術分野のサービス業は2020年の成長率が16.9%、金融サービス業は7.0%に達し、第3次産業の全体成長率を大きく上回っている。
第3次産業と同様に、2020年下半期は第2次産業の回復も力強さを増した。2020年10~12月期の工業生産は前年同期を7.1%上回り、2020年の通年の工業生産を前年比2.8%増にまで押し上げる原動力となった。
(財新記者:于海栄)
※原文の配信は1月18日
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