中国の国有鉄道会社の中国国家鉄路集団(国鉄集団)は1月4日、2020年の総売上高と輸送実績を発表した。それによれば、総売上高は1兆1300億元(約17兆8653億円)と前年比ほぼ横ばい。そのうち(旅客および貨物の)運賃収入は6501億元(約10兆2781億円)と前年比約20%減少した。
輸送実績については、2020年の旅客輸送人員は延べ21億6000万人と前年比40%も減少。2013年に(旧中国鉄道省の解体に伴って)国鉄集団が発足して以降の最低記録となった。一方、貨物輸送量は35億8000万トンと前年より4.1%増加した。
旅客輸送人員の大幅な落ち込みは、言うまでもなく2020年初めに中国国内で流行した新型コロナウイルスの影響だ。国鉄集団の月次の旅客輸送人員は2020年2月には延べ3674万人に激減。その後、徐々に回復に転じたものの、2019年の同じ月の水準を下回る状況が続いた。
2021年の旅客輸送目標は2019年の9割弱
対照的に、貨物輸送量は2017年から続く増加トレンドを2020年も維持した。貨物輸送は人が密集せずにすむため新型コロナの影響が相対的に小さかったことに加え、トラック輸送を(より環境負荷が小さい)鉄道輸送に切り替えるモーダルシフトの潮流や、国鉄集団が旅客収入の減少を貨物収入で補うべく経営努力を重ねたことなどが奏功した。
とはいえ、貨物輸送量の前年比の伸び率は2019年の7.8%と比べて3.7ポイント低下した。また、国鉄集団は2020年初時点で年間貨物輸送量36億5000億トンとの目標を掲げていたが、それには届かなかった。
2021年の目標について、国鉄集団は総売上高を1兆1700億元(約18兆4977億円)、旅客輸送人員を延べ31億1200万人、貨物輸送量を37億トンとした。このうち旅客輸送人員は、新型コロナの大流行前である2019年の実績(延べ35億7900万人)の9割弱に相当する。
(財新記者:白宇潔)
※原文の配信は1月4日
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