6月28日、河南省商丘から安徽省合肥を経て浙江省杭州に至る「商合杭高速鉄道」の、合肥から湖州までの区間が開通した。中国国家鉄道集団の公式ウェブサイトによれば、この区間の全長は309キロメートルあり、設計上の最高時速350キロメートルの規格で建設された。
これにより商合杭高速鉄道は全線が開通した。同鉄道は総額960億8000万元(約1兆4500億円)を投じて2015年から建設が始まり、総延長は797キロメートル。今回の開通区間はその38.8%に相当する。起点の商丘から合肥までは2019年12月に開通済みで、湖州から終点の杭州までは既存の高速鉄道路線を利用する。
2020年1月、北京と上海を結ぶ高速鉄道の運営会社の京滬高速鉄道は上海証券取引所に株式を公開。と同時に、商合杭高速鉄道の運営会社である京福鉄路客運専線安徽(京福安徽)の発行済み株式の65.08%を取得した。買収資金には株式公開で調達した300億元(約4500億円)余りと、金融機関などから借り入れた200億元(約3000億円)以上が充てられた。
新線開業で赤字体質脱却が遠のく可能性も
京滬高速鉄道は、京福安徽の買収について「路線ネットワークの拡大と最適化による相乗効果が大きい」と説明している。事情に詳しい関係者によれば、京福安徽がすでに運営している鄭阜高速鉄道(訳注:2019年12月に開通した河南省鄭州と安徽省阜陽を結ぶ路線)と商合杭高速鉄道の接続により、中国中部から沿海部へのルートが増え、京滬高速鉄道の安徽省蚌埠から江蘇省徐州までの区間の輸送力逼迫を緩和する効果があるという。
だが注意すべきなのは、高速鉄道の新線は往々にして開通から黒字化まで長い時間を要することだ。京福安徽も例外ではない。同社は商合杭高速鉄道を含む4路線を運営しており、うち1路線は開通から7年、もう1路線は5年が経過している。にもかかわらず、京福安徽は2019年1~9月に8億8400万元(約133億円)の純損失を計上。商合杭高速鉄道の全通により、赤字体質からの脱却がさらに遠のく可能性もある。
(財新記者:白宇潔)
※原文の配信は6月28日
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