新型コロナウイルスが中国経済に与える衝撃の「第2波」がデータに表れた。4月30日に発表された4月の財新中国製造業購買担当者指数(製造業PMI)は49.4と、V字回復を見せた3月の50.1から0.7ポイント低下。好不況の判断の目安とされる50を割り込み、製造業の景況感が再び悪化していることを示した。
中国国内では新型コロナの流行が落ち着くとともに、企業活動の再開が進んできた。しかし4月の新規受注指数は引き続き低下し、3カ月連続で縮小トレンドのなかにある。
最大の原因は新型コロナの海外での大流行だ。多くの国々で都市のロックダウン(封鎖)や工場の操業停止が続き、中国の輸出企業に深刻な影響を与えている。4月の新規輸出受注指数の低下幅は(中国での新型コロナ流行のピークだった)2月よりも大きかった。
輸出受注の激減が中国経済回復の重しに
需要の弱含みを背景に、製造業は新規雇用を抑えている。設備や部品の調達も低調だ。そんななか、4月の原材料購買価格指数は過去4年間で最大の下げ幅を記録した。調査対象企業からは「競争力維持と販売促進のために製品価格を下げている」との回答が多数寄せられた。
今後12カ月間の楽観度を示す指数も4カ月ぶりの低水準に落ち込んだ。新型コロナ流行の長期化が世界景気に深刻な打撃を与えるとの懸念から、中国の製造業全体に先行きへの悲観が広がっている。
「4月は企業活動の再開がさらに進んだが、輸出受注の激減が中国経済の本格回復の重しになっている。新型コロナショックの第2波では、企業経営者の心理、雇用の状況、工業用原材料在庫の動向などを注意深く見なければならない」。財新グループのシンクタンクCEBMのチーフ・エコノミストを務める鐘正生氏は、そうコメントした。
(財新記者:張娯)
※原文は4月30日配信
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら