「東大合格請負人」が見た"共通テスト"の超本質 各教科の出題内容から「変化の意味」を読み解く
センター試験が廃止され、今年の1月16日から新たに始まった大学入学共通テスト(以下、共通テスト)。導入が決まって以降、いったいどんな内容になるのか注目を集めてきましたが、ふたを開けてみれば想像以上の大きな変化があり、受験生や業界関係者は騒然となりました。
筆者は、東京大学など難関大を目指す子を指導する「東大合格請負人」として、多くの受験生を指導してきましたが、そうした子たちも例外でなく、この荒波を体験することとなりました。
いったいどんな変化があったのか。また、この変化に柔軟に対応できた子と、対応できなかった子の違いは何だったのか。各教科の実際の出題内容の変化を踏まえながら、読み解いていきたいと思います。
英語は「処理能力」と「検索能力」が問われた
まずは英語です。制限時間はセンター試験と変わらず80分ですが、総語数は、2020年度実施のセンター試験では4384語、2021年度共通テスト5478語と1000語以上増えました。
(問題・図・設問・選択肢すべて含めた数字 2020.河合塾発表)(2021.河合塾発表)
この変更は予告されていましたが、従来比でどれだけのスピードアップが必要かを知ると、改めて驚くかもしれません。
仮に40分本文を読んで40分で問題を解いたとすると、1分間に約137語を読み取る必要があります。センター試験では1分当たり約100語でしたので、約4割増しということになります(引用元:明光義塾)。
これだけのスピードとなると、英語の偏差値が65程度ある人でも、全文をキチンと読んで解くのは無理があります。ここで求められているのは、全体を斜め読みして大ざっぱに大意をつかむ「処理能力」と、問われている内容を本文中から探し出す「検索能力」です。以下の問題をみてください。
〔2020 センター試験第4問〕
昨年度実施されたセンター試験では、上記のように読む箇所も限られていて、どこに必要な情報があるのか探しやすいタイプの問題でした。
〔2021 共通テスト第4問〕
今回2021年実施の共通テストでは、複数の情報を1つひとつ対応させながら読んでいかなければなりません。ただ「英語が読めます」だけでは答えられないことがわかります。
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