「東大合格請負人」が見た"共通テスト"の超本質 各教科の出題内容から「変化の意味」を読み解く
この問題には、従来どおりの何となく英語を和訳するだけの勉強法では対応できません。対策時間もかなりかかるはずです。少なくとも、何となく「単語帳を見るだけ」「英文を見るだけ」の習慣しかない人は「今までの勉強を見直さなきゃ!」と、危機感をもつべきです。
続いて、数学です。こちらも「読む力」が重要視されているのがわかります。
〔2020 センター試験 分野:二次関数〕
教科書に書いてある語句、表現だけで構成されていて、ページも1ページだけなので、日頃から従来の問題演習に取り組んできた人には取り組みやすい形式になっています。
〔2021 共通テスト 分野:二次関数〕
なんと、1つの分野の問題が4ページにもわたっています。問題を見て「いや、問題文長すぎ!」と、ツッコミを入れた受験生もたくさんいたはずです。しかも、高校数学とは関係ない陸上の専門用語がいきなり書かれています。
初めて見た文章と数学の公式を、どんなふうに関連させれば解けるのかイメージして取り組まなければいけない――。なかなかレベルの高い問題構成といっていいでしょう。
ちなみに、事前に行われた試行調査では、「公式の証明」が出題されていましたが、本番では登場しませんでした。教科書にある公式の証明であれば、覚えてしまえばすぐに解けてしまうのですが、今回のように初めて見る公式は“アドリブ”が試されるので「暗記」するだけでは絶対に対応できません。
国語は古文だけ難易度がかなり高かった
最後に国語です。国語は現代文2題、古文と漢文が1題ずつで、問題形式でも問題内容においても、試行調査で出題されたものよりも、従来のセンター試験に近い内容でした。その点で、ほかの科目に比べると混乱は少なかったはずです。
しかし、古文だけは難易度がかなり高かったのが印象的でした。以下に紹介しますが、なんと私立の最難関大学である早稲田大学で出題された文章とほとんど同じで、しかも問題も似ているものがあったので、標準的なレベルの受験生には対応できなかったと思われます。
〔2012年 早稲田大学人間科学部第2問〕
〔2021 共通テスト 古文〕
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