「東大合格請負人」が見た"共通テスト"の超本質 各教科の出題内容から「変化の意味」を読み解く
今回初めて、全国50万人規模の大学受験生たちに向けて実施される試験ですから、「まさか試行調査とは違った形式なんて出ないだろう」と、ほとんどの予備校は予想していました。それで、試行調査どおりの模擬試験だけが、2020年は行われているという状況でした。受験生たちが「この形式が出るなら、本番も大丈夫」と思い込んで当然です。
では今後、どうすればいいでしょうか。必要なのは「自分で情報を集める」という姿勢です。学校や塾・予備校で言われたことだけ覚えようとする受け身重視の姿勢から、「これって何に使うんだろう、具体例は何かな」と考えて本を読んだりネットで調べたり、友達や先生に質問しに行く、自発的な姿勢に変わることが大切です。その行動をとっていくうちに、「わからないものを見たら、どう行動すればよいか」を考えられるようになっていきます。日ごろから初見の問題に対応するトレーニングにつながるわけです。
「コロナの状況での指導方法」でも差がついた
続いて、2つ目の常識が「合格者数が多い学校や塾・予備校にいれておけばうまくいく」についてです。
1つ目の話とも関連しますが、「この予備校がやっていることだから、大丈夫だろう」と過去の合格者数や実績だけで安心するのは危ない、ということです。
とくに、2020年度で、筆者が注目したのは「コロナの状況での指導方法」です。緊急事態宣言が出されて多くの学校や塾が休校となった昨年4月頃、通っている学校や塾はどんな対応をしていたでしょうか。もし「大量に宿題を出すだけ」だったとしたら、そこからの情報だけを鵜呑みにするのは危ないと言わざるをえません。
なぜなら、「とりあえず今までどおりの授業を進めなければいけないから、プリントを出しておこう」という考えが土台にある可能性があるからです。
こうした“有事”に必要なのは、変化への対応力です。すぐにオンライン指導が始まったり、教材プリントを配るだけではなくて電話対応をして各自の状況を確認したりしてくれた教室であれば、変化に対して強い可能性が高いといっていいと思います。「とりあえず今までどおりに、気合いで取り組めば合格できる」という根性論が出てきたら要注意です。
もし、これから高校選びや塾・予備校選びをする方は、そういう視点ももって調べてみることをオススメします。
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