「東大合格請負人」が見た"共通テスト"の超本質 各教科の出題内容から「変化の意味」を読み解く

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3つ目の常識は「本や新聞を読めば読解力が身に付く」です。

「何かを読んでいれば、自然と読解力が身に付いて速く読めるようになる」というのは、はっきりいって誤解です。

「国語力がないのは、本や新聞を読んでいないからだ」という説がありますが、慌ててたくさん本を読み始めたものの、点数が上がらない子はたくさんいました。

正直、「自然と読める人」からすると「読めない人の気持ち」はわかっていないと思います。私はもともと「読めない人」でしたから、これができない気持ちはよくわかります。「正しく読むやり方を知らないと無理」です。

正しく読むには、テクニックを知り、時間もかける必要があるので、適切な指導者に習うのが近道ですが、普段の生活の中でこの力を高める方法もなくはありません。それは、「SNSで情報発信する」「友達と問題の出し合いをする」ことです。例えば、TwitterやインスタグラムなどのSNSで

「疲れた、眠い」

などといった感想ばかり書いている人は、筆者が知る限り、国語が苦手なタイプが多いように思います。逆に、国語が得意な人は

「英文法が苦手な人はこの問題集はやるべき」

「シャーペンではなくボールペンで勉強するのがオススメ」

などと書き込んでいる傾向があります。つまり、自分の経験を伝える習慣がついているのです。

もし読解力をつけたいのであればまず、自分が点数を上げたい科目の勉強法やノートの書き方をアップしている人のSNSを検索して、その人にコメントを書いてみるとよいでしょう。最初は「そのやり方いいな」と思う誰かをマネるのがやりやすいです。

コメントのポイントは、1回目は「私もそれ使ってみます」と書き込んで、実践したらもう一度その人にリアクションしましょう。「このペン使いやすかったです、教えていただいてありがとうございます」など書き込むと、その相手は、あなたにもっといろんなことを教えてあげたくなります。そういう行動が、自分にとってよりよい習慣を身に付けることにつながります。

ぜひ試してみてください。

3つの常識を見直し、自分の力で情報も結果もつかもう

過去のやり方では通用しなくなった部分があったと捉え、ぜひ来年以降に受験する方は、参考にしていただけたらと思います。

周りに流されてしまう3つの常識を見直して、自分の力で情報も結果もつかみとりましょう。

時田 啓光 東大合格請負人、合格舎 代表取締役

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ときた ひろみつ / Hiromitsu Tokita

偏差値35の高校生を東京大学に現役で合格させ、ほかにも京都大学や国立医学部医学科など最難関大学に合格させた実績を持つ。処女作『東大の入試問題で「数学的センス」が身につく』(日本実業出版社)は発売5日後で重版され現在3刷、『偏差値35の「野球バカ」でも東大なら受かる勉強法』(ワニブックス)など。メディア出演では、日本テレビ「得する人損する人」で芸人オードリー春日東大合格企画の専属講師、テレビ朝日「中居正広のミになる図書館」では教育の専門家として勉強嫌いがグングン伸びる方法を解説するなど多岐にわたり活動中。

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