名店も閉店・休業「スナック」何とも厳しい現状 模索続く中、ママたちが活路を見出したのは

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さらに、お客として利用する人の6割はスナック初心者である。これまで、馴染みがない人に敬遠されがちであったスナックがオンライン上で楽しめるようになり、ハードルが下がったようだ。また、料金やママのキャラクターが可視化されたのも大きい。

レビューには、「嫌なことや理不尽なことがあっても、皆さんと話していると忘れられます」「自粛期間中に久しぶりに大笑いして椅子から落ちそうになりました。いつでもオンラインで行けるので助かります」などの声が並ぶ。

ママにとっても希望をあたえられた

癒されたのは客だけではない。「夜の街クラスター」「3密の温床」「時短・自粛」と言われ続け、お店を開けること、ひいてはスナックという商売を続けることに思い悩むママたちにも希望を与えることができた。

あるママは、オンライン上で喜んでいるお客様の姿を見て、「このままスナックを続けていいんだ」という自信を得たと話してくれた。さらにGOTOトラベルを利用し、「オンラインで出会ったお客さんが会いに来てくれた!」という声も数多くいただいた。

オンラインであっても、スナックが日常から切り離された癒やし空間であることに変わりはない。コロナ禍によって店を閉めるママも、続けるママも、新たな営業スタイルを模索するママもいる。ただ、みんなに共通しているのは、「人が好き」ということである。

ネットを介して全国のママとコミュニケーションができる「オンラインスナック横丁」(写真:筆者提供)

人が好きだからこそ、苦しいときでも、思い悩むことがあっても、スナックでストレスを発散したり元気になったりしてほしいと願うママがいて、明日を生きる勇気を与えられたお客さんがたくさんいる。

コロナ禍であるいま、人々との距離は変われど、コミュニケーションの重要性は失われていない。むしろ私たちは、人が人を元気づけるスナックのようなコミュニケーションスタイルを、かつてないほど欲している。

だからこそスナックという形が未来へと続いていくよう、各店舗のママたちは感染症対策に最大限の気を配りながら、いまもその文化を守り続けている。

五十嵐 真由子 スナック探訪家、PRプランナー

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いがらし まゆこ / Mayuko Igarashi

国立音楽大学卒。CM音楽制作会社、楽天を経て独立。Make.合同会社代表としてストーリーブランディングを手法としたPRコンサルティングを提案・提供している。またスナック探訪家女子「スナ女」として、「スナック入門講座」「スナック女子向けツアー」、オフィスコミュニケーション「オフィススナック」も精力的に行う。最新情報はホームページツイッターで配信中。

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