愛煙家の聖地「スナック」に押し寄せる禁煙の波 禁煙化に踏み切ったスナックに聞いてみた

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スナックにとって「禁煙」をうたうことは命取りになるのか?(編集部撮影)

日常の疲れを癒やし、楽しい会話とお酒を楽しめるスナックだが、中には誰の目を気にすることなく、思いっきりタバコを吸えるのがいいという人もいるだろう。日頃から肩身の狭い思いをしている愛煙家にとって、こうした場所は貴重である。

だが、そんなスナックにも「禁煙の波」が押し寄せようとしている。2018年7月に成立した改正健康増進法は、望まない受動喫煙の防止を目的としたものだ。すでに、2019年7月1日からは、学校・病院等が屋内全面禁煙になっている。

禁煙や分煙をうたうスナックはまだ少ない

さらに2020年4月1日からは、スナックやバーを含む飲食店・職場等でも、原則屋内禁煙が義務付けられる。東京オリンピック・パラリンピックに向けた配慮でもあるのだが、お酒とタバコを一緒に楽しめないのは、愛煙家にとってつらいことだろう。

当初は、一部の施設に限り“喫煙可”を継続する案も浮上していた。しかし、ふたを開けてみると、喫煙をサービスの主目的とする施設においても、「受動喫煙防止の基準に適合した場合に限り、喫煙目的室を設けることができる」といった内容に留まった。

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この先、スナックを経営するママやマスターにとって、苦しい判断を迫られることになっていくであろう。

東京オリンピック・パラリンピックを1年後に控え、改めて、スナックとタバコの現状について調べてみた。すると、数あるスナックの中で、禁煙や分煙をうたうスナックは非常に少ないことがわかった。

いままでに筆者が訪れた多くのスナックでは、扉を開ければ室内には紫煙がただよい、どのテーブルにも灰皿が備え付けてあるのが見受けられた。酒に酔う愛煙家たちは、気持ちよさそうに歌い、当然のごとくタバコに火をつける。

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