不機嫌上司から身を守る「程よい距離の取り方」 自分の心に境界線を引いて、わがままに生きる

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私はA子さんと上司の様子をたしかめるために、次のような問いかけをしてみました。

「彼のイライラは、どんなときにおきますか。あなたと顔を合わせる前と後で、変化しているでしょうか」

A子:「いえ、上司は、基本いつもイライラしています」

私:「そうですか。ということは、あなたがいつも気にしている上司のイライラは、あなたがきっかけというよりも、彼の内側から吹きだしている、ととらえていいですよね」

A子:「はい……えっ……?」

私の問いかけにきょとんとした顔のA子さん。

自分を守るために「心の境界線」を意識してみる

私:「例えば上司が、朝出がけに、奥さんとひどい夫婦喧嘩をしたり、娘さんに冷たい態度を取られたりしたとします。すると上司は当然気分がすぐれないまま、出社することになります。そしてイライラもするでしょう。その状況はあなたの責任でしょうか?」

A子:「“私が至らないから上司はイライラしている”と思っていたのに、そうではない……ってことですか?」

私:「私たちは、この上司のような未熟なわがままと、日々同じ空間で過ごしていると、次第に『自分が至らないからダメなんだ』『相手のイライラは自分の○○がもとなのだ』と、イライラしている相手ではなく自分が悪いと、自己否定しがちです。

そして他人の感情まですべて自分が原因ととらえ、『自分がフォローしなければ……』と責任を感じてしまうかもしれません。ですが、相手の気持ちをよくしてあげるのは、あなたの責任ではありません。相手の感情とあなたの感情はまったく別ものです。相手の感情は、相手の責任なのです」

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