不機嫌上司から身を守る「程よい距離の取り方」 自分の心に境界線を引いて、わがままに生きる
朝目覚めると浮かんでくる「上司の表情」
とある日の午後、疲れきった様子で、カウンセリングルームにやってきたA子さんは、臨床心理士の私にこう言いました。
「朝、目覚めると、浮かんでくるんです。それは、いつもイライラしている上司の表情。そのたびに、嫌な気持ちになり、会社に行きたくなくなるんです」
休みたい気持ちをなんとかおさえ、出社してはみたものの、フロアーでその顔を見た瞬間、「やっぱり今日は来るんじゃなかった」と、恐怖と不安で心臓がドキドキ。
上司の反応に極度に過敏になってしまい、彼のため息や舌打ち、とがった声が聞こえてくるたびに、
『あれ、私、また何かミスをした?』
『それとも、きのうの提出案件、出来がまずかった?』」
まるで自分の落ち度で、相手がイラついているのではないか、そんな思いになるというのです。
「その重苦しさにたえられず、なんとかしなければと、動いてしまうんです。あれこれ気をつかい、様子を見、上司の機嫌がよくなると、ようやく自分もほっとする。この上司が自分の部署に異動してきてから、こんな毎日がつづいています。どうしたらよいでしょう?」
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