「寺門ジモン監督」が語る食と人生と焼肉の哲学 「フード・ラック!食運」実現した人間力と探究心

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――本当に映画がお好きなんですね。それこそ47~48年越しの夢がかなったということですね。

そうですね(笑)。ただ、映画監督になりたいという夢は、劇団テアトル・エコーという劇団で活動している時に何もかもなくなりました。演劇の世界に入った瞬間、子どもの頃ならあこがれの夢で済むようなことが、現実の夢になった。今日、目の前で生き残ることで精いっぱいになったわけです。この劇団で生き残る方法はなんだろうと考えた時に、それがお笑い芸人になるということだったんです。

――そこから違う道に進んで、自分のやりたいことをやっていったら、最初の夢にたどりついたと。そしてその夢を後押ししてくれたのが人付き合いだったという。ジモンさんはどのような人付き合いを心がけてきたのでしょうか。

基本的には、その人が今やっている行為は、時代とともにあるんですよ。その時にその人がどう考え、どう判断したかということで、信頼できる人かどうかわかる。その人への信頼感があれば長く付き合えるじゃないですか。合わない人は自分のまわりからは自然に消えています。それは肩書とか、お金を持っているかとかは関係ない。僕の中の精神的な喜びや楽しみにつながらない人は、いなくなっています。

それはそれでいいと思っています。僕が若いときに思っていたことは、例え「くそ!」と思ったり、誰かに嫌なことをされたとしても、「僕は刺さなくてもいい。誰かがこの人を刺すから」と思うようにしていました(笑)。

この人はこういう振る舞いなんだから、きっとどこかで誰かに刺されるだろうと。だから僕は、最後まで「頑張って」という感じですね。人生は短いんだからつまらないヤツに時間を使いたくないじゃないですか。来る者拒まず、去る者追わずじゃないですけど、その気持ちはずっとありますね。

成功しているお笑い芸人は考え方が宇宙人

――それは分かります。

僕はお笑い芸人なんで、いろんな方にお会いできる機会がたくさんあります。その中で感じるのは、成功している人たちって、お金から離れて考え方が宇宙人なんです。

そのときに自身が楽しめるか。ワクワクできるか。その人といる時間を大事にできるか……。時間という皆がもらった平等な価値を大切に使えるかということになっていくんですよ。お金持ちは、早くにお金が手に入るから、早くに哲学を持つんです。自分の残された時間で何をしようかということが見えてくる。僕は思うんですが、まわりの人を幸せにしたり、ちゃんと自分のまわりにいる人間のことを考えたりする人間は、必ず上にあがっている。確かに人を蹴落とした人も上がってきますよ。でもどこかで蹴落とされていますよ。悲しいですけどね(笑)。

――そうやっていろんな人を見てきたわけですね。

お笑い芸人さんのすごい人って、皆、怖い顔になったりするじゃないですか。政治家とか、どこかの親分みたいな顔になっていったりするのは、わかるんですね。

人間の心が見えるようになるんですよ。だから、この子はこう思っているんだろうなと。思っていることをそのままポンと言うんじゃなくて、こういうことを与えていくと気づいてくれるかなとか、そういうことをふっていくと、それと同じようなことが起きるようになるかなとか。

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