「寺門ジモン監督」が語る食と人生と焼肉の哲学

「フード・ラック!食運」実現した人間力と探究心

――先ほどの土屋さんやNAOTOさんへの「映画を撮ったら出てくれる?」という呼びかけを聞くと、常々「映画を作りたい」ということが頭にあったのかなと思ったのですが。

それはありましたね。ただ悲しい話ですが、今回の話が決まる前にも、自分で台本を書いた映画の企画がいくつかあって。結局実現せずに、つぶれた企画はいくつかありました。

ダブル主演のEXILE NAOTO、土屋太鳳のほか、りょう、石黒賢、寺脇康文、東ちづる、大泉洋、大和田伸也、竜雷太ら実力派俳優が結集しているのも作品の特長だ ©2020 松竹

――そういう企画を幾つかやっていく中で「いつかは、いつかは」と。

だから諦めずに考え続けていたということです。一度でも諦めたらもう絶対にダメですよ。本当に「映画詐欺?」と思うぐらい企画はたち消えてしまう。普通なら「こんなのやってられるか!」って絶対にやめてしまいますよ。

でも僕は平気なんですよ。ひとりでイタリアに行って、白トリュフを掘りに行く男ですよ。その間、仕事はなくなっちゃうけど行っちゃいますね。その無駄な時間というのは、無駄じゃないという確信を持っているから。だから松竹側も「本書けますか?」とは言ったものの本当に書いてくるとは思っていなかったと思う。そこで諦めずにドーンと持って行くと、「書いてきよった」みたいな感じですからね。

小学生から映画をつくっていた

――人によっては「本を書いてみませんか?」なんて言われても社交辞令に取ると思います。でもそこで本を持っていくのがジモンさんなんだろうなと。

それはもう天然ですよ。もしかしたら体のいい断りだったかもしれないですよね。でも僕は本が好きでたくさん読んでいるし、映画も好きで死ぬほど観ています。でも「映画のことなんか知らないでしょ」って思われる人もいると思うんですよ。でも僕はカット割りとかそういうことが昔から死ぬほど好きで、映画監督の何たるかとかいう本はもう本が曲がるほど読んでいた。

でもそれをまわりに言おうとは思っていなかった。やはり映画監督は、船乗りとして、船を無事に岸につけるために判断する人だから。もしかしたらボロボロかもしれないですけど、それでも時間内にきちっと。物理的に不可能なことは妥協をしなきゃいけないこともあるけど、それも含めた上で、この予算でこの人数で船をいかにしてたどり着かせるかというのも目標としてやっていました。

――先ほど映画にあこがれていて、映画を作りたいと思っていたというお話だったんですが、いつ頃からそういう思いがあったんですか。

それはもう小学校の時ですね。小学3年生くらいに親友と8ミリフィルムを回して映画を作りました。

――それはどんな映画だったんですか。

皆さん引くかもしれないですけど、『ゲロ』という映画で。その時代に売っていたレトルト食品を全部用意して。けんかをしてボンと戦ったら、ブワーっと吐く。そのアクションの中で吐くものがグリーンだったり、赤いものだったり。たまにはカメラを横にしたりして。

当時はブルース・リーとかああいうのが好きでしたからね。それからその友だちと毎日、学校に行く前に30分テープを回して。ラジオのDJみたいなことをやって。8ミリの映画を撮ったり、演劇部で活動したりもしていたので。やはり小さい頃から映画にあこがれはあったんでしょうね。

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