「寺門ジモン監督」が語る食と人生と焼肉の哲学

「フード・ラック!食運」実現した人間力と探究心

――日々の積み重ねが大事だと。

自分がやりたいと思ったことをずっとやり続けたら、自分の夢がかなっていたという。無理してお金をためて、それで映画を撮ったとしてもせいぜい東京で2館くらいでしか上映されないと思うんです。でも松竹の配給で約150館公開って大変なことじゃないですか。

――その規模で公開できるということは、やはりキャストが豪華だということもあると思います。

初監督の壁というものがあって、「この監督いいな」と思われていても有名な俳優さんはなかなか出てくれません。やはり実績がない人間の初メジャー監督作で、しかもオリジナルとなると絶対に動かないですね。何も担保がなければ、ギャンブルになりますから。

ジューシーな肉音や、匂いまでが伝わってくるかのような映像も作品の魅力のひとつ ©2020 松竹

――ジモンさんはその壁をいかにして超えたのでしょうか。

それが通った理由を一つだけ言います。「食」です。

例えば「美味しいもの会」にたまたま土屋太鳳さんとマネジャーさんがいらっしゃって、おいしいお肉を食べている時に僕が「これはこうで」と全部説明したら、「ジモンさんすごいですね。うわー、たまらない!」と返ってきた。

その時に「もし俺が肉映画を撮る時になったら出る?」と聞いたら、「当たり前じゃないですか。ねえマネジャー、出ますよね」なんて言っちゃう瞬間があるわけですよ。

食べ物がつないでくれたキャティング

――ジモンさんならではのキャスティングですね。

EXILEのNAOTOくんもそうですよ。京都の比良山荘というジビエの有名なところに食べに行った時にNAOTOくんもいたんですけど、NAOTOくんは「うわ、おいしい! 僕の食べ物の師匠はジモンさんです」と言いながら食べているわけです。

その時も「俺がたまたま映画を撮ることになったら出てくれる?」って聞くわけですよ。そうすると「師匠、当たり前じゃないですか」と返ってくる。そこで1個フラグが立ったわけですね。でも彼らはまさかその1年後、2年後に本当にオファーが来るなんて思っていないですよ。でも実際にオファーをした。そうしたら「出ます」って。

これは食べ物がつないでくれたんですよ。ワクワクすることは、仕事のしがらみを越えてくるんです。そういう奇跡を起こせる可能性があるから、ビジネスをやる時にも、相手をワクワクさせたら勝ちなんじゃないかなと思ったんです。

――この豪華なキャストも、ジモンさんのご縁のたまものということですね。

これはもう食べ物のおかげですよね。確かに僕は芸能人として「ちょっと面倒くさい」とか「ちょっと扱いにくい」という風に言われがちなんですが、ダチョウ倶楽部として入ったどんな現場でも、やることをちゃんとやりますし、礼儀正しくもしています。普通にしているだけで「意外にちゃんとしているじゃん」と言われたりするくらい。だから35年やれたわけです。

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